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業界ウォッチ 2018/06/11

今週の気になること「サッカー選手の年俸」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「サッカー選手の年俸」を取り上げてご紹介いたします。

FIFAワールドカップ2018ロシア大会が6月14日に開幕します。開幕が近づくにつれてサッカーに関する話題・報道も徐々に増えてきました。今回は、日本代表がワールドカップ本番1か月というタイミングで、ハリルホジッチ監督の解任などの騒動があり、国内では今ひとつ盛り上がりに欠けた感があります。

そんな中、日本サッカー界にとっての大きな話題となったのが、スペイン代表でFCバルセロナを退団したばかりのイニエスタ選手をヴィッセル神戸が獲得を発表したことでした。その年俸額は約32億円ということで、その金額の大きさも話題となりました。

それでは、サッカー界の世界的なスターの一人でもあるイニエスタ選手の今回の契約年俸は、他の世界的なスター選手と比べてどのくらいなのでしょうか。また、日本のJリーグクラブの選手に支払っている年俸と比べてどのくらい大きいのでしょうか。実際の数字で比較して確認してみたいと思います。

まず世界の年俸上位選手とくらべてみたいと思います。スペイン紙「マルカ」によると、トップがメッシ選手で62.3億円、次いでテベス(51.4億円)、ネイマール(48.7億円)、オスカル(32.5億円)となっており、イニエスタ選手は上位5番目に入る金額ということになります。

次に、日本J1の各クラブがどのくらい選手年俸を払っているのか見てみます。2017年に最もチーム人件費が大きかったのが、ヴィッセル神戸の約31億円で、次いで浦和レッズ(26.4億円)、鹿島アントラーズ(23.8億円)、川崎フロンターレ(23.4億円)、セレッソ大阪(23.3億円)となっています。

イニエスタ選手に支払われる年俸は、2017年のヴィッセル神戸のチーム人件費全体よりも大きな金額ということが分かります。

こうしてみると、ヴィッセル神戸がいかに思い切って大物選手を獲得したのかが分かります。また、世界のスター選手をJリーグに連れてくるには、各クラブチームが経営リスクを負って高額な年俸を払わないといけないということも分かります。

ヴィッセル神戸は、スポンサーでもあり親会社でもある楽天の三木谷オーナー社長だからこそ決断できたとも言えそうです。Jリーグクラブの経営で思い切ったことをするには、サラリーマン経営者では決断できないのかもしれません。

とはいえ、このままでよいわけではなく、今後、Jリーグクラブで思い切った選手獲得と、その資金繰りや、収支もしっかりマネジメントできるプロ経営者が求められるのでしょうね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)