旬の数字 2018年6月20日

婚活もスマホ!マッチングサービス市場18年に374億円



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)

皆さんは「マッチングサービス」をご存知でしょうか?

一般用語としてのマッチングではなく、オンライン・アプリで行う婚活・恋活のマッチングサービスを指すことが多くなっているようです。いわゆる「婚活アプリ、恋活アプリ」や「オンライン婚活、オンライン恋活」と同義になっているとも言えます。「マッチングアプリ」と呼ばれることもあるようです。

「マッチングサービス」は、近年活況を呈しているといわれています。
業界最大手の「Pairs(ペアーズ)」(累計会員数約600万人)や「Omiai」(同約250万人)の他、サーバーエージェントの子会社マッチングエージェントが運営する「タップル誕生」や、ヤフーが運営する「Yahoo! パートナー」、リクルートが運営する「ゼクシィ恋結び」など、大手有名企業もマッチングサービス事業に参入してきています。

また「マッチングサービス」の市場規模は、2018年で374億円と、前年の256億円から約46%増えると予測されています。さらに2023年には、18年の約2.3倍にまで拡大すると予測されています。(マッチングエージェント「2018オンライン恋活・婚活の国内市場調査」より)

このように、「マッチングサービス」市場は拡大していますが、皆さんはこうした「オンライン婚活・恋活マッチング」に対して、どのようなイメージを持つでしょうか。こういったサービスを使うことに対して、「抵抗感を持つ人がいる」のに、なぜ市場が伸びているのか不思議に思う人もいるのではないでしょうか。

しかし、同じくマッチングエージェント社の「オンライン恋活・婚活 意識実態調査」によると、20~40代の未婚男女に「恋活・婚活サービスを利用することをどう思うか」という質問に対して、全体の約8割が「ふつうのこと」だと思っているという回答結果が得られています。また、恋活・婚活中の約3人に1人が、「マッチングサービス」を使っているという調査結果も得られています。

すなわち、一昔前のように婚活・恋活サービスを利用することに心理的な抵抗はなく、「マッチングサービス」を利用することにも抵抗がないということがうかがえます。

恋活・婚活の当事者であれば、このようなトレンドは当然のことと思うかもしれません。しかし、当事者でなかったら関心がないので、こうしたアプリ市場が伸びているとが、なかなか思いつかないかもしれませんね。

たまには、自分とは異なる世代・年代の関心事に目を向けることも大切ですね。自戒を込めて。

出所:
日経電子版 ※最終アクセス 2018年6月20日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26749390Z00C18A2X30000/


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)