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業界ウォッチ 2018/07/02

教員のちょっと気になる「副業動向」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「副業」を取り上げてご紹介いたします。

政府が推進する「働き方改革」の関心度が高まる中、先日(5月16日)、エン・ジャパンが正社員約3000人に「副業」に関する実態調査の結果を発表しました。同調査結果によると、全体の88%が「副業に興味あり」と回答し、副業経験があるという人は32%という結果だったそうです。

確かに、副業を解禁する企業などの報道も最近よく見かけるようになりました。「副業ブーム」とまで言われているものの、実際に副業する人はどのくらいいて、どのくらい増えているのでしょうか。また副業の市場規模(経済規模)はどのくらいの規模感で、どのように推移しているのでしょうか。実際の数字を見て確認したいと思います。

クラウドソーシングサービス大手のランサーズが、「フリーランス実態調査」として、フリーランス・副業人口規模や経済規模推計を発表しているので、同調査をもとに、それらの推移を見たいと思います。

まず、フリーランス・副業人口の推移を見ると、フリーランス人口は2015年に913万人でしたが、2017年まで増加傾向できたものの、2018年には1,119万人と前年からほぼ横這となっています。副業人口は2015年には533万人で、そこから増加し続けており、2018年には744万人と、前年からの伸びは鈍化したものの2015年から200万人以上増加したことになります。

フリーランスの経済規模は、2015年には14.3兆円でしたが、2018年には20.1兆円へと拡大しています。副業は2015年に2.8兆円でしたが、2018年には7.8兆円と、この4年間で約3倍に拡大しています。

平均年収を見ると、フリーランスは2015年は約156.6万円でしたが、翌2016年に150.4万円と減少しましたが、そこから増加し2018年には179.6万円となっています。副業は、2015年は52.5万円でしたが、2018年に104.8万円と、この4年で倍近くまで拡大しています。

このように、フリーランス・副業人口は、伸びが鈍化してきているものの、特に副業経済規模・平均年収はこの数年で大きく伸びていることが分かります。

この副業には、正社員が副業する「副業系隙間ワーカー」場合と、2社以上の企業と契約ベースでこなす「複業系パラレルワーカー」がカウントされています。中でも特に「複業系パラレルワーカー」の人口・平均年収が伸びているそうです。

そう考えると、隙間時間に片手間でこなす「副業」と、複数の業務を本気で業務をこなす「複業」では、意味合いが違いますよね。仕事を頼む場合、「副業」としてやる人と、「複業」としてやる人だったら、どちらに頼みたいかという問題になってきます。「副業」という概念は「本業」との対になっていますが、そもそも「本業」とは何なのか考えさせられますね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)