業界ウォッチ 2018年9月3日

教員のちょっと気になる「スポーツ観戦率」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「スポーツ観戦率」を取り上げてご紹介いたします。

今年の夏は、猛暑日が多く暑い日が多かったと思いますが、そんな中でもプロ野球や高校野球、サッカー・Jリーグ等々様々なスポーツが行われ、観戦に行った人もいるのではないでしょうか。

スポーツ観戦をしようと思っても、近くにスポーツ観戦する場所・イベントがないと行った地域もあれば、野球・サッカー・バスケットボール等の主要なリーグのチームが全て近場にあるという地域もあるかもしれません。

それでは、スポーツ観戦率に地域ごとに違いがあるのか、どのような違いがあるのか、男女差があるのかなど、実際の数字を見て確認したいと思います。

まず、各都道府県別のスポーツ観戦率を確認してみます。トップは広島県の32.9%で、次いで宮城県(26.4%)、福岡県(26.1)、神奈川県(25.3)、北海道(24.6)、東京都(23.8)の順となっています。一方、最も低いのは高知県(14%)で、次いで福井県(15.9)、鳥取県(16.1)、青森県(16.1)、新潟県(16.8)と続いています。

さらに、男女別で、特に都市部の人のスポーツ観戦率を見たいと思います。男女別で見ると、どの都道府県も男性のスポーツ観戦率が女性よりも高くなっています。また、都市部のスポーツ観戦率を見ると、県全体の平均よりも高く出る傾向にあります。

こうして見ると、メジャーなスポーツチームのある都道府県のスポーツ観戦率が高くなっており、特に都市部の男性が高く出る傾向があります。

趣味娯楽としての「スポーツ観戦」なので、東京、神奈川などの巨大都市圏になるとプロスポーツがあっても、他に趣味娯楽が多いためか、広島、宮城、福岡よりも低い値となっているところも特徴的です。

この中で、突出しているのは広島県です。特に、都市部女性スポーツ観戦率33.6%と、の宮城県の都市部男性スポーツ観戦率(34.2)とほぼ変わらない水準となっています。

広島県は、広島東洋カープ、サンフレッチェ広島がありますが、どちらも2018年は上位につけています。「カープ女子」という用語が広まるなど、広島県のスポーツ観戦熱の高さが数字で裏付けられることになります。

ちなみに、プロ野球、プロサッカー、プロバスケチームが一つもない都道府県は、5つあるそうです(福井県、三重県、和歌山県、高知県、宮崎県)。

逆にいうと、これまでプロスポーツチームがなかったところに、プロチームができるとチームへの愛着が高まり、一気にスポーツ観戦率が高まるかもしれませんね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)