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旬の数字 2018/09/12

欧州委員会、サマータイムの廃止提案へ84%が支持



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)

自民党は、サマータイムの導入についての議論を始めるようです。今まで、何度も法案提出に向けて話し合われながら、法案提出までにも至らなかったサマータイムですが、今年の猛暑を受けて、2020年東京オリンピックの猛暑対策の切り札としての導入検討となります。

何故、これほどまでに何度もサマータイムが検討の俎上に載るのでしょうか。

それは、夏の長い日照時間を有効活用しようというのが主たる理由です。日照時間の活用でエネルギーの消費を抑えられ、帰宅時間も明るいために家族と外出をするなど今までと違った生活ができるという効果が期待されるます。

ただ、今回はサマータイムの導入検討がニュースになるや否や、数多くの反対意見が噴出しています。ITの導入が進んだ現在、情報システムの変更対応が困難、間に合わない。食品などは時間単位で管理するために変更が難しい。
さらには、生活のリズムが狂うために体調管理ができなくなる、明るい時間が長くなるために残業が増えてしまうなどが指摘されています。むしろ経済的にマイナスという意見までコメントされています。

そして、欧州委員会でサマータイムの廃止を提案するというニュースが日本のサマータイム導入の反対を後押ししている格好です。

それでは本当にサマータイムはデメリットだらけなのでしょうか?
EUでのパブリックコメントでは84%が廃止に賛成とされていますが、まずは国ごとの数値はチェックしなければなりません。また、生活のリズムが狂うといっても、一時的なものの可能性がありますし、情報システムの修正が困難とされていますが、欧米では対応できています。

特に、今回は東京オリンピックのためだけにという背景が強く感じられるため、元々この猛暑の時期に開催を設定したのが悪い、なぜ東京以外の地域も合わせなくてはならないのかなどの感情論も出ているように思います。

新たなことを導入するわけですから、どういう形態で導入すれば効果があるのか、リスクが軽減できるかをじっくり検討し、それでも難しいという判断であれば導入見送りは仕方ないと思います。

ただ、感情論や悲観論だけでの判断ではなく、客観的に理性的に話し合っての判断をしたいですね。

出所:
日経新聞電子版 ※最終アクセス 2018年9月12日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34839720R30C18A8EA2000/?waad=rPSrWz9K&ugad=rPSrWz9K&_pb_cc=870416_180912009


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)