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業界ウォッチ 2018/10/08

教員のちょっと気になる「ラグジュアリーグッズ(高級品)」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 ラグジュアリーグッズ(高級品)市場 」を取り上げてご紹介いたします。

先日(9月下旬)にイタリアの高級ファッション・ブランド「ヴェルサーチ」が、米高級ブランドのマイケル・コース・ホールディングスに売却されるとの報道がありました。売却額は約20億ドル(約2300億円)とのことです。これにより、マイケル・コース社は、複数の高級ブランドを取り扱う事業戦略の一環として、社名をカプリ・ホールディングスに変更するそうです。

高級ブランド企業は、仏LVMHに代表されるように、高級ブランドを次々と買収しマルチブランド企業化する傾向があります。マルチブランド企業化することによる間接部門の共通化等のメリットはありますが、そもそも高級品市場は伸びているのでしょうか。またどのような企業がどのような規模感なのか、マイケル・コース、ヴェルサーチはそれぞれどのくらいの規模感なのか、実際の数字で確認してみたいと思います。

まず、世界の高級品(ラグジュアリーグッズ)市場規模推移を見てみると、長期的にみて成長市場であることが分かります。2008、09年はリーマンショックの影響で一時落ち込みましたが、それ以降は拡大トレンドとなっており、2018年には約2800億ユーロ(約36.6兆円)規模と推計されており、2025年には3900憶ユーロ(約51兆円)と予想されています。

次に、高級ブランド企業の高級品販売額(2016年)のランキングで規模感を比較してみます。世界トップは仏LVMHグループで234億ドル、次いで米エスティ―・ローダー(118億ドル)、スイスのリシュモン(116億ドル)、伊ルクソティカ(100億ドル)、仏ケリング(93億ドル)となっています。

今回の米マイケル・コースは14位の45億ドルで、伊ヴェルサーチは54位の7.5億ドルとなっています。

ちなみに、ヴェルサーチは、別調査で今年の第2四半期(4~6月)の人気ファッションブランドランキングで、トップ10(7位)にランクインしています。

このようにみると、高級品市場は成長市場であるが、人気はあるが規模が小さい伊ヴェルサーチを、米マイケル・コースが買収してマルチブランド企業化して、同市場で勝負していくという意図が見えてきます。

ラグジュアリー市場における日本企業としては、資生堂が化粧品分野ではありますが17位とトップ20圏内にありますので、今後どうなっていくのか期待したいところですね。

※出所:いま世界で最も人気のファッション・ブランド トップ10(最終アクセス 2018/10/08)
https://www.businessinsider.jp/post-171770

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)