業界ウォッチ 2018年10月15日

教員のちょっと気になる「子どものICT活用状況」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 子どものICT活用状況 」を取り上げてご紹介いたします。

先日(10月1日)、NTTドコモモバイル社会研究所(9月下旬)が実施した調査で、小学4年生で約半数が携帯・スマホを利用しているとの報道がありました。小学1年生では40%とのことでした。

年代別のICT利用状況調査といえば、よく20~60代以上などの10年くくりで行われ、10代とりわけ低学年は調査対象から外れていることが多く見られます。ですが、同社では小・中学生の利用状況に関する調査レポートを蓄積しています。

近年子どものプログラミング教室などの人気も高まっていますが、どのくらいの子どもがパソコンやタブレットなどどのくらい利用しているのでしょうか。低学年と、高学年でどのような違いがあるのでしょうか。具体的に数字で確認してみたいと思います。

まず、スマホ・携帯の利用率を見ると、小学1年生で40%に達しており、小4で50%を超え、中1で80%台に達し、そこから横ばいとなっています。

次にタブレット利用率を見ると、小1で25%、小2で38%とおよそ4割に達し、以降概ね横ばいとなっています。

パソコンの利用率を見ると、小1~小3まで10%台で、小4で30%台に達し、小6で40%台となり、そこから概ね横ばいで、中3で50%近くに達しています。

このように見ると、各年代でスマホ・携帯、タブレット、パソコンの順で利用率が高くなっています。特にスマホ・携帯では小学校高学年から利用率の上がり方が高くなり、タブレット、パソコンを大きく引き離しています。

なお、デジタル機器という定義で考えると、この調査には出てこないゲーム機器があり、近年のゲーム機器が通信機能を備えている場合が多く、ある意味子どもがICT機器を利用しているということになります。

実際に小学生低学年(未就学児も含めて)の子どもがスマホやタブレットを触っていく姿を見ると、吸収力・上達スピードの速さに驚かされます。所有者である大人が知らない操作方法を、自分で発見して使いこなして驚くこともあります。

まさに、子ども時代からデジタル機器・スマホを使いこなす、デジタルネイティブ、スマホネイティブ世代ということが言えそうですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)