マネジメントとビジネストレンドの知見を得るMBAメディア

タグから検索する

業界ウォッチ 2018/11/12

教員のちょっと気になる「世界の海上橋」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 世界の海上橋 」を取り上げてご紹介いたします。

先日(10月24日)に、香港とマカオ、珠海市(中国広東省)を結ぶ海上橋「港珠澳大橋」が開通しました。世界最長の全長55kmの海上橋として、各種メディアで開通のニュースと共に報じられていました。

また、世界最長の海上橋開通というだけでなく、9月23日には香港と広州市(広東省)を結ぶ高速鉄道が開通し、広東省、香港、マカオを巨大な経済圏と見立てる「グレーターベイエリア(粤港澳大湾区)」構想としても注目されることとなりました。かつて2000年代前半に「珠江デルタ」と呼ばれた「世界の工場」だったエリアが、それから十数年で深圳のようにモノづくりイノベーションの拠点へと進化し、更には東京、NY、サンフランシスコ大都市圏と比較するような経済圏へと変貌を遂げつつあるということ自体が、驚くべき発展のスピード感だといえます。

とはいうものの今回の海上橋「港珠澳大橋」、世界最長というからには、世界の他の主な海上橋は全長どのくらいのものなのか気になるところです。また、どの国・地域に長距離海上橋が多く、日本の海上橋と比べるとどのくらい違うのでしょうか。実際に数字で確認してみたいと思います。

まず、世界の主な海上橋を抽出し、その全長を比較してみます。

1位は、冒頭で述べた港珠澳大橋で55km、次いで舟山跨海大橋(中国浙江省)の48.2km、青島膠州湾大橋(中国山東省)の41.6kmと中国の海上橋が続きます。その後に、ポンチャートレイン湖大橋(米国ルイジアナ州)、チェサピークベイ大橋(米国メリーランド州)と米国の海上橋となりますが、その後にまた中国の海上橋が続きます。

こうしてみると、成長著しくインフラ需要の旺盛な中国の海上橋が上位にランク入りしていることが分かります。

ちなみに、国境を越えた海上橋としては、香港、マカオ、珠海市というのは、かつては英国領、ポルトガル領、中国という別の国だった地域の「港珠澳大橋」がトップに上がってきていますが、その他では「キング・ファハド・コーズウェイ」がバーレーンとサウジアラビアを結ぶ海上橋として上位に入っています。

日本では、瀬戸大橋(13.1km)が上がっています。そう考えると、港珠澳大橋は、瀬戸大橋の約4.2倍の長さということになります。

港珠澳大橋が全長55kmで世界一というニュースがあっても、それだけではピンときませんが、日本一の瀬戸大橋の4.2倍となると、そのスケール感の違いがイメージできます。経済発展のスピード感も、インフラ整備のスケール感も、中国には本当に驚かされますね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)