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旬の数字 2018/12/05

ラーメン「幸楽苑」働き方改革で大みそかと元日休業400店超



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)


皆さんは、元旦に飲食店が閉まっていると不便に思いますか?

ラーメン店の「幸楽苑」は今年2018年の大晦日と来年2019年元旦を400店以上で休業すると発表しました。外食産業は長引く人手不足に悩まされているため、従業員の働く環境に配慮しての元旦休業としたようです。

かつて昭和の時代は、元旦は休業、元旦を含めた三が日は休業にする外食産業や百貨店、スーパーなどの流通・サービス業がほとんどでした。それが、元旦も外食したい、正月でも買い物をしたいというニーズの高まりから、元旦営業を実施するサービス業が増えました。福袋人気なども手伝い、元旦営業が定着していきました。

ところが最近、年明け元旦を休業にする飲食店やサービス業が増えています。
今年2018年の元旦を振り返ると、外食産業のロイヤルホールディングス(ロイヤルホスト、天丼てんや)、定食チェーンの大戸屋、ドコモやソフトバンクのショップ、さらには大和ハウスでは住宅展示場を休業にしていました。

2018年元旦の休業を行った企業に対する評価はネガティブなものが少なく、むしろインターネット等ではこの取り組みを評価する投稿が多くみられます。

こうした人手不足や、消費者側の理解・許容状況を踏まえ、来年2019年の元旦も休業にするサービス業が増えているようです。すでに、幸楽苑だけでなく、スーパーマーケットのマルエツや運送業の佐川急便、福山通運、さらには2018年元旦休業にした企業も実施を発表しています。

今後、年末にかけて年明け元旦休業を発表する企業が増えることが予想されます。もしかすると、元旦だけでなく、三が日を通して休業するサービス業も出てくるかも知れません。

三が日すべて休業とするのは、売り上げ低下などが懸念されるなどにより難しいとは思いますが、そこで働く人も正月くらいは休みたいという気持ちはあるでしょう。企業・経営者側は、機械化・無人化などを進めていきたいところです。

今後こうした動きが広まると、消費者・生活者の、正月の過ごし方が変わってくる可能性がありそうです。生活者である私たちにも、利便性を求めるのか、働く人にも優しい社会を求めるのか、ライフスタイルを問われることになるかもしれませんね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)