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旬の数字 2018/12/19

山手線新駅、得票36件順位130位の「高輪ゲートウェイ」に決定



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)


JR東日本山手線田町~品川駅間の新駅の2024年本格開業に向けて、先日12月4日に新駅名の公募・選考結果が発表されました。公募は6万4千件の応募があり、選考の結果、得票36件、順位130位の「高輪ゲートウェイ駅」に決定されました。

山手線は首都東京を環状運転し、品川~田端駅間は1日に100万人を超える乗降客数と数多くの人に馴染み深い路線で、さらに1971年4月20日に開業した西日暮里駅以来の新駅の誕生であり、駅名に関しては高い注目を集めていました。

ところが、この新駅名が発表されると同時に、インターネットを中心に賛否をめぐって様々な反応が示されました。

JR東日本によると、選定理由は「世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指しており、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。」と公表しています。(※1)

ただ、公募結果では1位の高輪が8,398件、2位の芝浦が4,265件に対し、高輪ゲートウェイは130位36件と、あまりにも大きな差となっています。

新駅名に対する反対意見としては、「なぜゲートウェイをつけなければいけないのか」、「格好が悪い」などが大半でした。また、件数で決定するとは言っていなかったにせよ130位を選択したとなると、「最初から決まっていたのではないか」といぶかしむ声や、「そもそも何故公募を行ったのか」との声も出ています。反対意見は多岐にわたり、とうとう撤回を求める署名運動まで始まる始末です。

しかし、新駅の駅前再開発は「グローバル・ゲートウェイ品川」というコンセプトが掲げられており(※2)、街の名前にも「ゲートウェイ」が付く可能性があります。従って、この街が東京の新たな玄関口になって欲しいとの願いからの新駅命名であったのかもしれません。

今後、定着するのに時間がかかるかもしれませんが、せっかくの新駅ですから再開発含めた経済効果には期待したいところです。

一方、公募やアンケートなどを行う際には、実施方法や背景などを事前にしっかりと伝えるなどの運用が必要であり、ここを疎かにするとネットの時代には「炎上」する事態となる可能性があることを教訓として覚えておきたいですね。

(※1)JR東日本 ※最終アクセス 2019年3月19日
https://www.jreast.co.jp/press/2018/20181201.pdf


(※2)JR東日本 ※最終アクセス 2019年3月19日
https://www.jreast.co.jp/press/2015/20150817.pdf


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)