業界ウォッチ 2019年1月7日

教員のちょっと気になる「米LinkedInの新興職種(求人)ランキング」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 米LinkedInの新興職種(求人)ランキング 」を取り上げてご紹介いたします。

昨年2018年12月に米LinkedInは米国内新興職種(求人)に関する調査「Emerging Jobs Report」の2018年版を発表しました。同調査によると、Blockchain Developer(ブロックチェーン開発者)がこの5年で伸びた職種の1位となっており、33倍に増加したそうです。

確かに、ブロックチェーン技術はビットコインを始めとした仮想通貨に用いられ、仮想通貨以外への活用なども期待されています。

それでは、他の職種でどのような職種が伸びているのか、昨年のランキングと比較してみるとどのような違いがあるのか、実際の数字を見て確認したいと思います。

まず2018年の上位職種を見ると、1位が上述の「Blockchain Developer」で33倍、次いで「Machine Learning Engineer(機械学習エンジニア)」で12倍、「Application Sales Executive(アプリケーション営業幹部)」で8倍、「Machine Learning Specialist(機械学習スペシャリスト)」「Professional Medical Representative(プロフェッショナルMR)」がともに6倍となっています。

次に2017年版の上位職種を見ると、1位が「Machine Learning Engineer(機械学習エンジニア)」で9.8倍、次いで「Data Scientist(データサイエンティスト)」6.5倍、「Sales Development Representative(営業開発担当者)」5.7倍、「Customer Success Manager(カスタマーサクセスマネジャー)」5.6倍、「Big Data Developer(ビッグデータ開発者)」5.5倍となっています。

ブロックチェーン関連は2018年だけ急増してトップになっているため、一時的なものか長期的なニーズなのかまだわからない面があります。ですが、機械学習(人工知能)、データサイエンス・ビッグデータ関連の技術者の求人ニーズは2017年、2018年共に高いことが分かります。

また、新興職種の上位ランキングであるだけに、聞きなれない職種も多数あるのではないでしょうか。

このように米国の労働市場ではありますが、従来型の職種ではなく、新しい新興職種のランキングを時々チェックしておくと、キャリア設計の幅が広がっていきそうですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)