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旬の数字 2019/02/06

国内PC出荷額18年7.5%増4年ぶりプラス



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)

電子情報技術産業協会(JEITA)によると2018年の国内PC出荷額は対前年(’17年)比で7.5%増の6673億円となり、4年ぶりにプラスとなりました。(※1)
出荷台数は708.5万台(同4.5%増)で、タイプ別ではデスクトップ型が173万台(同1.4%減)で、ノート型は535.5万台(同6.6%増)となっています。PC出荷台数の増加は、ノート型の増加が大きく寄与しています。

PC出荷台数増加要因として、2020年1月のWindows7サポート終了に伴う買い替え需要があげられます。

サポート切れOSはセキュリティ上の問題があるため、法人の買い替え需要が進んでいるようです。2018年は好景気もあり、企業業績好調のうちに前倒しで買い替えを進めているものと考えられます。

そして、働き方改革により、テレワーク用の持ち運びできるノート型PCの購入が増えたこともPC出荷増要因としてあげられます。元々、省電力、省スペースの観点からノート型を採用する企業が増えていましたが、テレワーク普及で、デスクトップ型からノート型への移行が更に進むものと予想されます。

また、「出荷金額」の伸びが「出荷台数」の伸びを上回っていることから、PC1台当たり単価が向上していることが分かります。

最近のPCには、高い性能が求められています(※2)。そのためCPU高速化、ストレージ、GPU、メモリの大容量化が必要となり、PC単価が上昇しているものと考えられます。

2019年もPC市場は、好調に推移すると見られていますが、Windows7サポート終了後は買い替え需要一巡で落ち込むことが予想されます。その後、長期的に縮小市場になる可能性も指摘されています。

現在、PC市場を支えているのは、主に法人需要であり、個人需要は低下傾向であるとの見方が有力です。個人は、スマートフォン、タブレット端末で代替することが増えていることが背景です。

法人でも、クラウド利用が進んでおり、オフィス用、モバイル用ノート、タブレット、スマホなど、マルチデバイス活用が広まっています。クラウドで大容量高速処理を行い、端末側では軽量にする動きも出てきています。

PCおよび周辺機器関連企業は、市場が活況で利益を確保できる今こそ、将来のコンピューター利用シーンを研究し、対応していく必要がありそうです。一方、ユーザーとしては、今後の低価格化に期待したいですね。

※1 パーソナルコンピュータ国内出荷実績 JEITA
※2 アプリケーションの高容量化、ネット回線高速化、セキュリティ強化、持ち歩きに耐えられる堅牢化ニーズ増加などが背景


出所:
一般社団法人電子情報技術産業協会 ※最終アクセス 2019年3月19日
http://www.jeita.or.jp/japanese/stat/pc/2018/12.html


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)