業界ウォッチ 2019年2月18日

教員のちょっと気になる「Jリーグ観戦者平均年齢」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 Jリーグ観戦者平均年齢 」を取り上げてご紹介いたします。

Jリーグは2019年シーズンが2月22日に開幕します。昨年は世界的スター、イニエスタ選手加入で話題を集めましたが、今年はどのような盛り上がりを見せるのか気になります。

そのJリーグの2018年の観戦者調査結果が1月末に発表されました。同調査結果によると、J1の観戦者平均年齢は40.2才で、上昇傾向が続いていた平均年齢でJ1は初めて前年から0.7才若返りました。なお、Jリーグ全体では41.9才でした。

この観戦者の平均年齢が40代を超えると聞いて、「高齢化している」と思う人もいるかもしれません。それでは、実際に平均年齢がどのように推移しているのか、どのような年代の人が感染しているのか、観戦する同伴者はどうなのか等、実際に数字で確認してみたいと思います。

まずJリーグ全体の観戦者平均年齢の推移(2000~18年)を見てみたいと思います。2000年は観戦者平均年齢が約31.4才で、以降増加トレンドとなっています。’00年代前半はしばらく30代前半で推移していますが、’05年に平均年齢35才を超え、’14年には40代を突破しました。

次に、年齢分布の推移を見ると、2000年から’02年までは20代以下が50%近くを占めていましたが、以降減少トレンドとなり、‘18年は23.6%まで落ち込みました。30代は、2000年に27.5%で、’04年に34.1%まで割合を増やしましたが、以降減少トレンドとなり、‘18年には17.3%となっています。50代以上は、2000年で8.2%でしたが、以降増加トレンドで2018年には31.7%にまで拡大しています。

誰と観戦しに来ているのか同伴者の状況を見ると、2018年は、Jリーグ全体では「家族」が53.6%と大半を占めていることが分かります。年代別に同伴者を見ると、10-20代は「友人」の割合が高くなっていますが、30代以降は「家族」のウェイトが高くなっています。

こうしてみると、確かに日本の人口動態の年齢構成のように、Jリーグ観戦者も高齢化シフトしているように見えます。ただ、30代以降になると家族連れ観戦者が多数を占めるということは、20年前に10~20代の若者が、30代過ぎになって子供を連れて観戦するようになっているとも考えられます。

Jリーグ創設~2000年代前半は、20代~30代若い世代が中心に盛り上がっていたものが、以降老若男女が観戦して楽しむスポーツへと定着しつつあるといえるのではないでしょうか。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)