旬の数字 2019年2月27日

ギョーザ購入額、浜松が宇都宮を抑え2年ぶり首位奪還



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)


2月8日、総務省から「家計調査報告(家計収支編)2018年(平成30年)12月分、10~12月期平均及び2018年平均」が発表されました。

それによると、2018年の世帯当たり餃子(ギョーザ)購入額で、浜松市が3501円、宇都宮市が3241円、宮崎市が3106円、京都市が2989円となり、浜松市がライバルである宇都宮市から2年ぶりに日本一を奪還しました。(※1)

宇都宮ギョーザは白菜などの野菜がたっぷり入っている、浜松ギョーザは茹でたもやしが添えられている、といった特徴が生かされています。世帯当たりのギョーザ購入額NO.1は、長い間この2市がデットヒートを繰り広げています。

浜松市は、2008~18年の11年間でみると、2011、12、14、15、16年、18年の5回1位となっています。2017年の浜松市首位陥落は、大河ドラマ『おんな城主 直虎』効果で浜松市に観光客増えたことで、ギョーザ専門店に行列が絶えず、地元浜松市民が持ち帰りを敬遠した「一時的な要因」とみられているようです。

なお、家計調査報告では、テイクアウト専門店やスーパーなど小売店の生ギョーザや焼きギョーザの購入額が集計されており、冷凍ギョーザや中華料理店等のテイクアウト、飲食店でのギョーザ消費は含まれていません。従って、どちらの市民がより多くギョーザを食しているかは残念ながら不明ですし、どちらが観光客などの飲食を含めて売上が上かという判断はできません。

ただ、No.1になったとアピールすることで、観光客を呼び込み、関係人口を増加させ、地域の活性化につながることに違いはないでしょう。浜松市では、商工会議所が「浜松餃子特設サイト」を開設するなどして観光客の呼び込みに繋げようとしています。

順位の上下はあるかもしれませんが、このように浜松と宇都宮がギョーザ消費額で日本一を競って話題になるということを生かして、それぞれの地域活性化に繋げてほしいですね。

※1 浜松市「一世帯当たり年間餃子消費額」が日本一

出所:
PRTIMES ※最終アクセス 2019年3月19日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000038874.html


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)