旬の数字 2019年3月6日

生活意識調査、食事にお金をかける1位は島根県の41%



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 専任講師)


先日(2月21日)、ソニー生命保険は、今回で4回目となる「47 都道府県別生活意識調査」のうち、「マネー・旅行」に関する集計結果を公表しました。(※1)

それによると、「食事にお金をかけたい」と思う人の割合が最も高かった都道府県は、島根県(41%)でした。2 位は埼玉県、鹿児島県が同率で39%となっています。なお全国平均は32.1%でした。

島根県は、「自分は浪費家だと思う」人の割合でも1位(44%)となっており、2位の秋田県とは2ポイント差、3位の奈良県とは4ポイント差です。島根県の人は食事にお金をかけたいと思っているだけでなく、本当に浪費をしているのかもしれないですね。

ただ、このデータは、「実際に支出した金額」でランキングされたものはなく、回答者が「お金をかけたい」と思っているかどうかを表しています。実際の消費支出額は総務省などより発表されていますが、金額ベースで見ると、東京や神奈川、大阪など大都市が高くなっています。

この他に島根県が1位となっている質問項目には、「雑誌・書籍にお金をかけたい」(14.0%)、「自動車にお金をかけたい」(19.0%)があげられます。なお同アンケート内の「現在乗っている自動車の金額」(自動車所有者対象)では、1 位は大阪府(521.7万円)、2 位東京都(331.4万円)、3位神奈川県(328.7万円)となっています。

このように、「お金をかけたいと思っている」ことと「実際に支出している金額」のランキングには乖離があるものの、何に対して価値を感じているのか、お金の価値観の県民性を見て取ることが出来そうです。

ちなみに、日本証券業協会が今年2月13日に発表した、「お金のセンス」を測るウェブテストの実施結果によると、47都道府県別の平均点でみて「お金のセンス」が最も高いのは島根県(72.20点)となっています(※2)。平均貯蓄率でも島根県は全国4位と上位に位置しています(※3)。

「自分は浪費家だと思う」、「食事にお金をかけたい」、「自動車にお金をかけたい」とは言うものの、実際にはお金のセンスが最も高く、貯蓄率も高い島根県民。お金に堅実だからこそ、実際に使っているかどうかは別として「自分は浪費家だと思う」のかもしれませんね。

※1 47 都道府県別 生活意識調査2018-19 年版
同結果は、全国の 20 歳~59 歳の男女4,700 名(各都道府県100 名)に、お金に関する意識について質問を行い、それぞれの内容に「あてはまる」と回答した人の割合の高さ順にランキング形式で公表されています。
※2 100年大学 お金のこと学部 開学記念テスト「お金のセンス」
お金のセンスが最も高い年代は「30代」、都道府県別では「島根県」が1位に
※3 社会生活統計指標-都道府県の指標2018

出所:
ソニー生命保険株式会社 ※最終アクセス 2019年3月19日
https://www.sonylife.co.jp/company/news/30/nr_190221.html

PRTIMES ※最終アクセス 2019年3月19日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000036302.html

総務省統計局 ※最終アクセス 2019年3月19日
https://www.stat.go.jp/data/shihyou/pdf/shihyou2019-1.pdf


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)