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旬の数字 2019/03/13

学生バイト収入過去最高、下宿生で初めて3万円を超え



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

全国大学生協連は、2018年10~11月、全国の国公私立大学の学部学生を対象に「第54回学生生活実態調査」実施し、先日(2月25日)結果を発表しました。

同調査によると、大学生の「アルバイト収入」は、自宅から通う自宅生、下宿している下宿生とも過去最高となり、自宅生は4万円、下宿生は3万円を初めて突破したようです。

下宿生、自宅生ともに総収入も増加していますが、自宅生の「親からの小遣い」、下宿生の「親からの仕送り」は減少傾向にあり、「アルバイト収入」が学生の収入を支えている構造となっています。

支出については、自宅生、下宿生とも、「食費」、「教育娯楽費」だけでなく、「書籍費」、「勉学費」などが、この2~3年で増加傾向となっています。単純に遊びに使いたいからアルバイトをするというよりも、日々の生活や、自己啓発にかける支出が必要となり、より多くの収入が必要となっているものと考えられます。

参考までに、同調査によると、大学生の勉強時間は授業、授業のための準備、学校以外での勉強などで増加する傾向にあるようです。

この調査結果からは分かりませんが、気になる点がいくつかあげられます。

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・アルバイト収入が上がったのは、アルバイト時間が増えたからなのか、アルバイトの単価が増えたからなのか。
・学生はどこで何のアルバイトしているのか。
・学生インターンは、アルバイトにカウントされているのか、カウントされていないのか
・大都市圏の大学と、地方の大学で差があるのかないのか。(大都市圏のアルバイト収入はもっと高いのではないか?)
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人手不足で、アルバイトに依存しているサービス業等は人集めに苦労しています。以前はコンビニ等で見かけた学生バイトも、最近はほとんど外国人です。学生アルバイトは、どこでアルバイトしているのでしょうか。

人手不足で、就職戦線も売り手市場トレンドでも、将来の就職先をみすえて、就活のプラスにならない低単価で成長につながらないアルバイトを敬遠しているのかもしれません。

その一方で、Twitterの不適切投稿で飲食店が炎上していますが、学生アルバイトであるケースが多く見受けられます。このような学生は、どんな大学の学生で、学生インターンとして企業で働くことを考えたりするのでしょうか。

同調査の長期統計で、アルバイト収入のトレンド、仕送り・小遣いのトレンドは分かるので、それはそれでよいと思います。ですが、「大学生」と一括りで語りつくせない社会現象が多数生じています。

一つの数値データ、調査結果ではありますが、そこから「本当のところどうなのだろうか」、「身近にみる現象と違うけど、それはなぜだろうか」という好奇心が湧き上がってくると、様々な社会現象とその背景などが発見できそうですね。

出所:全国大学生活協同組合連合会 ※最終アクセス 2019年3月19日
https://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html


執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)