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業界ウォッチ 2019/03/25

教員のちょっと気になる「世界のスマートウォッチ市場」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今回は、「 世界のスマートウォッチ市場 」を取り上げてご紹介いたします。

先日(3月7日)のウォーリストジャーナルによると、2018年のスマートウォッチの世界的な販売台数が5130万個と、前年比で54%増となったそうです(IDC調べ)。

数年前にウェアラブルコンピューティングの時代だとして、スマートウォッチや、スマートメガネなどのウェアラブル端末に関する報道が見かけられましたが、この1-2年はこうした報道が少なくなった印象を受けます。

では、スマートウォッチは普及しているのでしょうか。世界のスマートウォッチ市場規模がどうなのか、他の時計と比べてどのくらいの規模なのか、将来的にどのくらい伸びるのか、具体的な数字で確認したいと思います。

まず、世界のスマートウォッチの出荷数の推移を見ると、2014年は434万個でしたが、2015年にアップルウォッチが登場したことにより1985万個へと大きく拡大し、そこから増加トレンドで2018年には5130万個となっています。そのうちアップルウォッチの出荷数は全体の4~5割を占める規模となっています。

次に、スマートウォッチ代表格のアップルウォッチ出荷数は、スイス時計輸出数と比較してみたいと思います。2016年第一四半期は、スイス時計輸出数が590万個であるのに対し、アップルウォッチは220万個でした。以降スイス時計輸出が概ね横ばいから微減のトレンドで推移しているのに対し、アップルウォッチは増加トレンドで推移しています。2018年第4四半期には、スイス時計輸出が619万個であったのに対し、アップルウォッチは920万個と、スイス時計を大きく上回っています。年間合計でも、2018年はスイス時計の2374万個に対し、アップルウォッチが2240万個と僅差になっています。

スマートウォッチが今後どのくらい伸びるのか、将来市場規模予測を見ると、2019年の9060万個から、2023年には1億3130万個へと拡大することが予想されています。(IDC予測)

このようにみると、ウェアラブル端末といえば大半がスマートウォッチであり、中でもアップルウォッチが大半を占めていることが分かります。今後の市場も拡大することが予想されています。

利用者属性が異なるのかもしれませんが、スイス時計世界への輸出数よりもアップルウォッチの出荷数が超えるということは、よりスマートウォッチ利用者を日常で見かけるようになるかもしれません。普及したその先で、スマートウォッチ企業が高級ブランド化路線に向かうのか、機能拡張路線に向かうのか、非常興味深いですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)