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MBAダイジェスト 2019/05/03

アカウンティング(3)『企業経営の6つの流れ』元化学エンジニアS君の経営より

『MBAダイジェス』シリーズでは、国内初・最大級のオンラインMBAである「BBT大学院」、ならびに2つの国際認証を持つ「BOND-BBT MBAプログラム」の修了生が、両校で学ぶMBA科目のエッセンスをまとめ、わかりやすく紹介していきます。将来的にMBAの取得を検討している方や、MBAの基礎知識をインプットしたい方はご活用ください。


 
執筆:佐藤祐樹(BBT大学院MBA本科修了、三丸化学株式会社 取締役)
対象科目:アカウンティング(櫻庭周平 教授)

accounting

アカウンティングは数字ではなく熱いハート!?

経営はおカネじゃないけれど、世の中はおカネで動きます。

事業目的を達成するためには、おカネの知識が不可欠です。

おカネの知識を「会計」と表現すると、経理や簿記のことと誤解されがちなので、MBAでは意識的に「アカウンティング」と言っています。

とは言え、アカウンティングを学ぶのに必要なのは、熱い情熱に裏付けされた夢やロマンです。難しい計算は要りません。

え。なにそれ?

そう思わないでください。

本当です。

実際のBBT大学院の授業でも最初の教科書は、商業高校生向けの「7日で合格!カンタン!簿記2級入門」のような、ウサギさんのイラストばかりの本です。本気になれば1時間で読めてしまう内容です。

アカウンティングで学ぶことは、数字と理屈ではなく、熱いハートです。

本当です。

企業経営の6つの流れ

さて、前回、29歳の化学エンジニアのS君は、会社を辞めてカフェ経営に乗り出しました。

「人と人との間に、コーヒー」という彼の夢、ロマンが事業目的です。

S君は、彼の脳みそやハートに存在していた夢やロマンを、「事業計画」という形に言語化しました。そうしないと、誰にも夢やロマンを知ってもらえません。誰かに知ってもらえなければ、資金を調達することができません。

資金調達に成功したら、そのおカネを店舗やカップなどの資産に変え、その資産を使って収益(売上)を計上しました。

その収益から利益を生み出し、利益をちゃんとしたおカネに変え、さらに新しい資産に再投資します。

これが、普遍的な企業経営の6つの流れです。

箇条書きにまとめると、次のようになります。

1.夢やロマンを事業計画に変える

2.事業計画を資本に変える

3.資本を資産に変える

4.資産を収益に変える

5.収益から利益を出す

6.利益を資本に変える(「3」に続く。以後、ぐるぐる回る)

当たり前だと思われましたか?

でも、意識して仕事をしていますか?

起業にかぎらず、例えば会社員の日常の業務でとしても、この流れを意識している人は少ないと思います。

営業担当者の新規開拓活動は“4”ですが、値上げの交渉を行うのは“5”です。在庫管理業務担当者と相談して不動在庫を圧縮する試みは“6”と言えます。

アカウンティングを理解すれば数字が物語になる

これまで、6つの流れを文章による物語形式でお話してきました。

ビジネスの世界においては、これらの活動は「財務諸表」として記録されます。

代表的な財務諸表は「貸借対照表」(バランスシート:BS)と「損益計算書」(プロフィット・アンド・ロス・ステートメント:PL)です。

企業活動は決められたルールにのっとって記録されます。

ビジネスの共通言語であるアカウンティングの知識があれば、数字の記録から、経営者の夢やロマンなどの物語を読み取れるようになります。

今さら聞けない、BS・PLとは?

ここで、知っている人は当たり前なのに、知らない人はなかなか人に聞けない、BS・PLとは何ぞや?について簡単にお話ししましょう。

BSは企業の財政状態を表すものです。

左側に会社の資産がすべて(!)書かれており、その右側に、それのいくら分が誰のものか、やはりすべて(!)書き込まれています。

財政状態は刻一刻と変わりますので、BSを作成する際は、決算日や月末の締日など、ある一瞬を切り取ります。カメラで撮影するスナップショットのように、「今この瞬間の財政状態」というものだとイメージしましょう。

PLは文字通り損益を計算するもので、企業の成績表です。

ある期間中に、いくら売り上げ、いくら使って、いくら残ったか(または減ったか)を計算したものです。赤字だ、黒字だと注目される重要な指標です。

この2つの財務諸表を読み解くのに慣れると、数字が物語に見えるようになります。期首と期末のBS、月次のPLがあれば、さまざまなドラマをハリウッド映画なみに感じられるようになります。

次回、このBS・PLをもう少し掘り下げて説明します。

佐藤祐樹

BBT大学院MBA本科 修了 三丸化学株式会社 取締役事業部長
1974年生、宮城県仙台市出身。
大学でデザイン(専門はシルクスクリーン)を学んだ後、写真業界、出版社勤務を経て現企業に転職。営業・マーケティング部門で活躍中、2011年3月に出張先で被災。
その後2年間、企業勤めの傍らボランティアセンターの運営に携わる。
2013年にBBT大学院に入学、2015年MBA取得、同年取締役事業部長に就任。事業活動の責任者としてマーケティングから人事まで幅広く担当している。
また、2015年10月に友人とコーヒーの焙煎販売を行う株式会社リュミヌー珈琲を設立。
その他、コピーライターや事業計画作成支援、大学の補助教員などのフリーランス業務も行う。
「世の中の幸福の総量を力強く増やす仕事人」を目指す愛犬家。愛犬を連れてよく遊びにも行く。
趣味は手作りスモークチーズなどの燻製を作ること。

※BBT大学院MBAプログラムの受講体験談はこちら