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業界ウォッチ 2019/08/05

教員のちょっと気になる「都道府県別外国人延べ宿泊者数」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「都道府県別外国人延べ宿泊者数」を取り上げてご紹介いたします。

先日(6/28)、観光庁が「宿泊旅行統計調査」(2018年、1月~12月)の確定値を公表しました。同調査によると、外国人延べ宿泊者数は9428万人泊と、調査開始以来過去最高値を記録しました。三大都市圏と地方部における外国人延べ宿泊者数の対前年比は、三大都市圏で18.6%増、地方部で17.8%増でした。

訪日外国人観光客(インバウンド)の宿泊者は大都市圏に限らず、地方にも広がっているようです。

それでは、各都道府県で宿泊する外国人観光客は、どこの国・地域出身の人が多いのでしょうか。各都道府県の外国人宿泊者数のうち、その国・地域出身人は、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。何らかの地理的分布に特徴がみられるのでしょうか。実際に数字と、地理分布(地図)を見て確認したいと思います。


まず、各都道府県の述べ外国人宿泊者数を、国籍(国/地域)別の構成比で算出し、トップとなっている国/地域だけを抜き出してみます。

各都道府県のトップの国・地域を見ると、台湾が20県でトップとなっていることが分かります。中国は16都道府県でトップとなっており、韓国が8県でトップとなっています。香港は2県、欧州が1県でトップとなっています。

地理分布を見ると、台湾は東北、北関東、北陸、四国などの地方部でトップとなっていることが分かります。中国は、関東、東海、関西、北海道などの大都市圏でトップとなっていることが分かります。韓国は、九州・山口県を含めた一帯でトップとなっていることが分かります。基本的に、中国、台湾、韓国、香港など東アジアの宿泊者が各都道府県でトップとなっています。

例外的に、広島では欧州がトップとなっています。ちなみに、広島では欧州の次にアメリカが多くなっており、欧州+アメリカで33%の割合を占めています。

外国人宿泊者数のうち、中国からの宿泊者の割合が最も高い都道府県は、静岡県で65%を占めています。次いで、奈良県(55%)、愛知県(49%)と続きます。韓国からの宿泊者の割合が最も高い都道府県は大分県で59%、次いで佐賀県(52%)、山口県(49%)、福岡県(49%)と続きます。台湾からの宿泊者の割合が最も高い都道府県は岩手県で60%、次いで群馬県(46%)、秋田県(45%)、山形県(45%)と続きます。

こうしてみると、大都市圏では中国人宿泊者が多く、地方では台湾人宿泊者が多く、九州では韓国人宿泊者が多いという地理分布が見て取れます。グラフにするだけでなく、地図にプロットすることによって、地理分布の特徴がより分かりやすくなるケースも多数ありそうですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)