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業界ウォッチ 2019/10/28

教員のちょっと気になる「世界ブランド価値ランキング」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「世界ブランド価値ランキング」を取り上げてご紹介いたします。

先日、ブランドコンサルティング会社の米インターブランドが世界ブランド価値ランキング「Best Global Brands 2019」を公開しました。

同ランキングによると、2019年のトップはAppleで7年連続の首位となっています。次いでGoogle、Amazon、Microsoftといったテクノロジー大手が名を連ねています。

世界ブランド価値ランキングは毎年公表されていますが、それでは最新のランキングではどのような企業が上位に挙がってきているのでしょうか。上位企業のブランド価値は、どのくらい伸びているのでしょうか。ブランド価値が伸びた企業、減少した企業はどんな企業でしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

まず、2019年の上位ランキングを見てみます。トップはAppleで2342億ドル(対前年比9%増)となっています。次いでGoogle(1677億ドル、同8%増)、Amazon(1252憶ドル、同24%増)、Microsoft(1088億ドル、同17%増)と続きます。テクノロジー企業が上位を占める中、Coca-Colaが633億ドル(対前年比4%減)で5位に食い込んでいます。

上位25社を見ると米国企業が大半ですが、アジア企業としてSamsungが610億ドルで6位、トヨタが562億ドルで7位、ホンダが244億ドルで21位に入っています。

次に、ランキングトップ5社のブランド価値の推移を見てみます。

アップルは2000年時点では65億ドル(ランキング35位)で、2007年ごろまで横這いから微増で推移していましたが、2010年ごろから伸びが加速しています。ランキングも2013年から7年連続の1位となっています。

Googleは、2005年に84億ドル(38位)でしたが、以降増加トレンドとなっています。2013年にAppleに次ぐ2位となって以降2位をキープしています。

Coca-Colaは、2000年727億ドル(ランキング1位)で、2007年まで横這い、2014年まで微増で推移しています。2014年の815億ドルをピークに、減少トレンドとなっています。ランキングでは、2000年から2012年まで1位をキープしていましたが、2013年にApple、Googleに抜かれ3位となり、2017年にMicrosoftに抜かれ4位、2018年にはAmazonに抜かれ5位となっています。

次に、ブランド価値の対前年比増減率の上位企業、下位企業を見てみます。ブランド価値が増加したのは、Mastercardが25%とトップで、次いでAmazon(24%)、Saleseforce(24%)と続きます。一方、最もブランド価値が減少したのはGEで-22%、次いでGillette(-18%)、Facebook(-12%)と続きます。

こうしてみると、この2-3年はテクノロジー大手のブランド価値が急激に伸びており、突出していることが分かります。一方、同じテクノロジー企業でもGAFAの一角であるFacebookは個人情報データ流出問題の影響でブランド価値・ランキングを落としています。

また、テクノロジー企業でなくても、MastercardやVisaなどの金融サービス、GucciやDiorなどのラグジュアリーブランドなども伸びていることが分かります。

ブランド価値の大きさで見ると大手テクノロジー企業が突出していますが、それ以外のブランド価値の増減・トレンドを細かく見ると、テクノロジー企業でなくても世の中のトレンドをしっかりとらえているブランドが伸びていることが分かります。

こうした企業を見ていく方が、自社のブランド価値向上・経営上の参考になるかもしれませんね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)