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業界ウォッチ 2019/12/23

教員のちょっと気になる「スター・ウォーズ興行収入」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「スター・ウォーズ興行収入」を取り上げてご紹介いたします。

先日(12/20)、映画スター・ウォーズ最新作エピソード9「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(J・J・エイブラムス監督)が日米同時公開されました。今回の作品は、2015年に公開されたエピソード7「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」から続く3部作の完結編となります。また、これまでのスター・ウォーズシリーズを制作してきた制作会社「ルーカスフィルム」が、米ディズニー社の傘下入り(12年)した以降の3部作の完結編でもあります。前作(エピソード8)の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」は、賛否含めて評価が分かれていますが、今作はどの位の興行収入となるのか気になるところです。

それでは、これまでの同シリーズの興行収入はどの位だったのでしょうか。また製作予算にどのくらい違いがあるのでしょうか。過去の興行収入を現在の価値に換算してみると、どのくらいの規模になるのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

まず、制作予算を見てみます。最初の77年のエピソード4(EP4)「新たなる希望」では1100万ドルで、83年(EP6)「ジェダイの帰還」で3250万ドルへと増加しています。そこから時間が経過し、次の三部作で99年(EP1)「ファントム・メナス」では1億1500万ドルへと同3部作で同じ制作予算となっています。その次の、ディズニー傘下入りした後の3部作、15年(EP7)「フォースの覚醒」では2億5900万ドルで、19年(EP9)「スカイウォーカーの夜明け」では2億7500万ドルとなっています。

次の興行収入を見ると、最初の三部作では、(EP4)「新たなる希望」が7.8億ドルで、少しずつ落ち込み(EP6)「ジェダイの帰還」では4.8億ドルとなっています。次の三部作では、(EP1)「ファントム・メナス」が10.3億ドルで、(EP2)「クローンの攻撃」では6.6億ドルへと減少しましたが、(EP3)「シスの復讐」では8.5億ドルへと増加してます。その次の三部作では、(EP7)「フォースの覚醒」が20.7億ドルと、これまでで最高額となっており、次いで(EP8)「最後のジェダイ」が13.3憶ドルとなっています。

とはいっても、年代に大きな違いがあるので、インフレ率などの価格の調整を行って興行収入比較してみます。そうすると、調整換算後で最も興行収入が大きいのは(EP4)「新たなる希望」で31.4億ドル、次いで(EP7)「フォースの覚醒」22.1億ドル、(EP5)「帝国の逆襲」18.4億ドルと続きます。

こうしてみると、各三部作の最初の回の興行収入が大きく出ることが分かります。また、全シリーズで本当に最初の回だった(EP4)「新たなる希望」は、現在の価値にすると、全体を通してもトップの興行収入になるということが分かります。

SF映画の代名詞でもあるスター・ウォーズシリーズですが、ディズニー社が手掛けるようになってから、古いファンからの賛否などもあるようですが、今後どのようにビジネスとして手掛けていくのかが気になります。

近年のテクノロジー進展でSFの世界が次々と実現されている現代において、SF映画がどうなるのか、SFコンテンツがどのようにビジネス化されるのかという点が大変気になりますし、更なる進化を期待したいですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)