執筆:村西重厚(BBT大学院MBA本科修了、データ・サイエンティスト株式会社 エグゼクティブ・ディレクター)
対象科目:卒業研究(門永宗之助 教授、他)
卒業研究は一人一人がテーマ設定をして進める個人作業です。
したがって最終の成果物作成や発表までにたどるプロセスは、人それぞれに大きく異なります。今回の連載はあくまで私の体験をベースにお伝えする形になりますが、BBT大学院における卒業研究の雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。
さて、第2回目は卒業研究の第一歩である「テーマ設定」について、お話をさせていただきます。
卒業研究は約1年をかけて取り組みます。1年という長期間に渡り、1つのテーマを研究することは、想像以上に強い精神力が必要でした。
理由は大きく下記の2つです。
BBT大学院はオンラインでの学びが中心です。
普段は講義視聴やディスカッションを行うため、オンラインで様々な接点があります。従って、入学以前に持っていた「オンラインで学ぶことは孤独ではないか」という懸念は、講義が始まるとすぐに払拭されます。
しかし上記で述べたように、卒業研究は個人作業が基本です。
もちろん、プログラムとして放置されるわけではありません。途中でスクーリングがあったり、指導教官が定期的にアドバイスを頂けたりする機会があります。しかし、普段の研究や調査は一人で行うため、孤独に作業をすすめなければなりません。
さらに研究の過程では、仮説の検証などを目的として、関係者からのインタビューや、アンケート等で市場調査を行います。その際、自分の仮説の正しさの立証、すなわち期待通りの結果を得ることが出来ないことがあります。
むしろ期待どおりの結果を得られないほうが普通です。
そのような局面でも、自分の設定したテーマを信じ、深く探求するためには、熱意を燃やして取り組めるテーマを設定する、という始めの一歩がとても大切です。
では、どのようにして熱意を燃やして取り組めるテーマを見つけるのでしょうか。
BBT大学院からは「自分が何者か」を深く知る機会を与えられました。
自分が育ってきた環境、働き始めてから身につけた専門性、夢中になって取り組んでいる趣味などを、一度棚卸ししてみるのです。それによって自分の関心の的は何か?何に取り組んでいる時に燃えているのか?などを確認します。
例えば「モノづくり」が好きなのか?それとも「人と話す」ことが好きなのか?などを知ることで、進む方向性が見えてくることでしょう。
自分を知るために、BBT大学院は卒業研究がはじまって間もない時期に「スクーリング」を設けています。BBT大学院におけるスクーリングとは、オフライン、すなわち実際に顔を合わせる「リアル講義」を指します。
スクーリングに参加した学生は、自分を深く知るためのセッションを行い、自分の関心の対象や、何がしたいかを発見することが出来ました。
自分の深い関心に基づいたテーマを設定すると、様々な事柄を深く考えることができます。市場調査の結果、途中で研究を軌道修正する必要性に迫られた時に、関心の強いテーマであれば、アイデアも豊富に出ることでしょう。詰まった時には原点を確認して、あらたに様々な方向性を検討することができます。
実際、私は「モノづくり」に関するビジネスを研究テーマとしました。しかし、当初考えたプランは途中のリサーチにより、大きな軌道修正を行う必要に迫られました。しかし「モノづくり」への関心が強かったため熱意を失わず、軌道修正を行うことができ、無事ゴールに到達することが出来ました。
次回はテーマに基づいて、どのように研究を進めたかについて、お話をいたします。
村西重厚
BBT大学院本科 修了生
データ・サイエンティスト株式会社 エグゼクティブ・ディレクター
一般社団法人起活会 代表理事
1972年 兵庫県神戸市出身
工学部機械科卒業後、メーカーで生産技術部門に従事。
その後、営業部門を経て新規事業部門でWEB事業を立ち上げる。
新規事業の立ち上げ時に経営知識の必要性を感じ、2013年にBBT大学院に入学。
2015年MBA取得。MBA取得後、ベンチャー企業に転職し、営業、マーケティング、資金調達などに携わる。
2017年より、検索ビッグデータ分析を元に企業戦略の立案・推進に携わる一方で、一般社団法人起活会を立ち上げ、起業家支援を行っている。
趣味は登山、クライミング、ギター。