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業界ウォッチ 2020/02/03

教員のちょっと気になる「国内家庭用マスク市場」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「国内家庭用マスク市場」を取り上げてご紹介いたします。

現在、世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響を受けて、各薬局・ドラッグストア等で家庭用マスクが品薄になっているとの報道が多くなりました。春節で訪日した中国人観光客が中国国内にいる家族・親類・友人等のために、日本でマスクを爆買いしているという報道も見かけます。

実際に、ドラッグストアや、コンビニに行って見ても、家庭用マスクが品薄になっていることが確認できます。こうした影響から、アマゾンやメルカリでのマスクの値段が高騰しています。各メーカーが増産対応するも、急激な注文増加に対応しきれず供給が追い付かない状況が生じているようです。

家庭用マスクは、この時期はインフルエンザと2月頃から花粉対策で需要が伸びる時期だと思いますが、今年は特殊要因でマスク需要が大きくなることが予想されます。

それでは、これまでの国内家庭用マスクの市場規模はどのように推移してきたのでしょうか。過去に生じた新型インフルエンザの流行や、PM2.5の影響などはあったのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

まず、国内家庭用マスク市場規模を2003年からの推移でみてみます。2003年には72億円でしたが、そこから増加トレンドで、2009年に新型インフルエンザが世界的に流行した影響で、340億円へと急増しました。

翌2010年には150億円へと落ち込みましたが、そこから一貫して増加トレンドで、2018年には2009年時の340億円を超え、2019年には370億円となっています。

2012年に花粉大量飛散やPM2.5飛散などが話題となりましたが、マスク需要の増加傾向としては、急激なものというよりは、長期的増加トレンドに沿ったものとなっています。

こうしてみると、2009年に新型インフルエンザが世界的に流行した時には急激にマスク需要が伸びたものの、以降は花粉対策・通常のインフルエンザ対策等々で一貫して伸びていることが分かります。

今回の、新型コロナウイルスの拡散で、2020年のマスク需要がどのくらいかは現時点では見通しがつきませんが、これまでの増加トレンドとは異なり跳ね上がった数値となることは間違いないでしょう。またマスクの市場価格もそうですが、国内需要だけではなくアジア等での状の影響も見ないといけないかもしれませんね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)