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MBAダイジェスト 2020/03/26

Business Model Design(4)実践で役立つビジネスモデルキャンバス9つの要素

『MBAダイジェスト』シリーズでは、国内初・最大級のオンラインMBAである「BBT大学院」、ならびに2つの国際認証を持つ「BOND-BBT MBAプログラム」の修了生が、両校で学ぶMBA科目のエッセンスをまとめ、わかりやすく紹介していきます。将来的にMBAの取得を検討している方や、MBAの基礎知識をインプットしたい方はご活用ください。


 
執筆:安達佳彦(外資系製薬会社勤務 BOND-BBTアルムナイ「豪研会」会長)
対象科目:Business Model Design(講師:中川 功一)

前回の寄稿ではセンスメーキング理論とリーダーシップについて触れました。ビジネスモデルデザインの科目になぜリーダーシップが必要なのか。ビジネスモデルキャンバスは使えばすぐに事業プランが湧き出る魔法の道具ではないと中川功一先生も指摘しています。そもそもそれらを実行するにあたり、実行を促すリーダーシップが必要なため、リーダーシップについて触れました。

ビジネスモデルキャンバス9つの要素

みなさんも何か一つビジネスになりそうなアイデアがあれば是非、下記のビジネスモデルキャンバスを順番に埋めてみてください。最も重要なのは価値提案で、どのような価値を社会に提供し、貢献していくのかというビジョンが必要です。

①価値提案(Value Proposition)
②顧客セグメント(Customer Segment)
③チャネル(Channels)
④顧客関係(Customer Relation)
⑤収益の流れ(Revenue Stream)
⑥リソース(Key Resource)
⑦主要活動(Key Activity)
⑧パートナー(Partner)
⑨コスト構造(Cost Structure)



私が所属しているマーケティングの部署においては、価値提案に続いて顧客セグメントも重要であり、ここを見誤ると収益の流れとして、短い期間で頭打ちとなってしまいます。製品ライフサイクルを短くしてはいけません。また主要な活動として、営業においては対面による面談が成果を上げやすいということが分かっていますが、効率の悪さも指摘されています。デジタルを活用すれば効率よくプロモーションをすることも可能ですが、営業の質も担保したいところです。

ここでトレードオフが発生してしまうように見えますが、共存することも可能ですね。ニーズに気づいてもらうための過剰なプロモーションは製品ライフサイクルによっては不要で、適度に興味を持っている(ニーズのある)顧客に効率的にアプローチすることで生産性は上がるでしょう。

そういった意味では適切なターゲットを効率よく見つける方法を模索することが、生産性を上げるために重要なのです。コストを意識すると共に、Chance to winはどこに存在するのか?ここを見極めるのがマーケッターの仕事でもあります。

マーケティング戦略の基本:STP

マーケティングに所属している身としては、このSTPが最も重要で戦略の基本として活用しています。

①Segmentation
②Targeting
③Positioning



そして、STPだけではなく、プラス@として市場全体の動きが売上やシェアに影響を及ぼします。

STP+「市場」動向は戦略立案としても重要ですが、GAPの分析にも役に立ちます。例えば、当月、想定していた売り上げ(またはシェア)よりも低かった場合にどこが間違っていたのか、STP+「市場」の定義が明確になっていると検証することができます。実際の検証ではセグメント毎に売り上げ・シェアでどのくらいGAPが生じているのかを検証していきます。

よく、「想定していたよりも○○だった」という言葉を耳にします。実際に私も使うこともありますが、そもそも何を想定していたのかが重要で、何を想定していたかがはっきりしないことにはGAPの原因を突き止めることはできないのです。マーケティングの4Pだけでは、結果検証が難しいのです。

既成概念の枠組みを外す

さて、中川功一先生からよく聞くエピソードの一つに以下が挙げられます。
「今ある世の中のモノ・サービスは、登場する10年以上前には考えられなかったものから発生してきている」と。
いや、実際には考えているヒトはいたが、そんなの売れるわけがないと否定されてきたものたちなのです。

当時、誰がスターバックス・スマートフォンの登場を予想していたでしょうか。喫茶店文化が根強い日本にスターバックが入ってきたのは1996年です。当時はそんなの流行るわけがないと言われてきましたが、現状はご覧の通りです。インターネットで服を買うわけがないと言われていましたが、ZOZOは2000年にインターネット通販にてアパレル販売を展開していきました。
これらに共通するのはそんなの無理に決まっていると言われてきた、ということです。

みなさんのアイデアもそんなの聞いたことがない、無理だよ、と言われたらチャンスなのかもしれません。上述したビジネスモデルデザインに当てはめ、市場を定義し、STPも考えてみるといいかもしれませんね。

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安達佳彦

Bond-BBT Global Leadership MBA 修了生
1981年生まれ。東京都出身。妻と息子3人の5人家族。
高校卒業後は北里大学薬学部に進学し、2004年に外資系製薬会社にMR(営業)として就職。入社後は九州の宮崎に配属となり4年勤務、その後は福岡に2年、沖縄に4年間在籍。沖縄在籍中、チームと個人で「優秀課表彰」「Best Performer賞」「欧州研修賞」の3つのAwardを同時に受賞。その後、営業以外の仕事にもチャレンジしたいという思いから、2014年9月にBond-BBT Global Leadership MBA入学、2017年2月修了。在学中にデジタルマーケティングの部署に異動となり、その後は営業のラインマネジャー、現在(2020年3月)はプロダクトマネジャーと営業のラインマネジャーを兼任している。

2019年にはビジネスコーチの資格も取得し、チームメンバーの成長支援だけではなく、講演活動や勉強会などを企画し、リーダーシップ、コーチングの普及活動を行っている。

また、Bond-BBT Global Leadership MBAのAlumni組織である「豪研会」の会長として、Alumniのネットワークを広げる活動や、「Bond製薬の会」の共同代表として、勉強会の企画や懇親の場を作ることにも従事している。
※豪研会について詳しくはこちら