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業界ウォッチ 2020/04/20

教員のちょっと気になる「テレワーク関連機器の国内販売動向」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「テレワーク関連機器の国内販売動向」を取り上げてご紹介します。

先日(4/16)、新型コロナウイルスの影響を受けて、全47都道府県を対象とした緊急事態宣言が発令されました。既に、先行して東京都などの7都府県にも発令されていましたが、これを全国に広げた形となります。

また、企業は既に在宅勤務・テレワーク(リモートワーク)の実施を進めています。各種学校や学習塾などでもオンライン授業へのシフトを進めています。

こうした状況を受けて、パソコンやIT関連機器の販売が伸びているようです。調査会社・情報メディアのBCNは、この状況を「テレワーク特需」と称して伝えています。

確かに、テレワークを実施するには、自宅でPCや通信環境を準備する必要があり、テレビ電話/ビデオ会議を実施するにはカメラや、ヘッドホン、マイクなどが必要になるケースも多いと思います。人によっては、Zoomのような、ビデオ会議サービスを活用しようとしても会社支給PCにカメラが内蔵されていないため、顔を表示できず、急遽USB接続のPCカメラ(Webカメラ)が必要になるケースもあるようです。

それでは、実際にどの位PCの販売が伸びているのでしょうか。また、PCカメラや、ヘッドセット、無線LANルーターなどの周辺機器の販売はどのくらい伸びているのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

まず、PC(デスクトップ+ノート)の販売動向を見てみます。今年の1月14日にWindows7のサポートが切れるということもあり、昨年末から1月上旬にかけて、PCの売り上げが伸びましたが、それ以降は一度落ち込んでいます。3月4週目には東京都の外出自粛要請の会見を開いた影響もあり、以降PC販売が伸びています。4月第2週には対前年同期比145.1%と、大きく伸びていることが分かります。

次に、テレワークやビデオ会議に必要になると思われる、PCカメラ(USB接続型)、ヘッドセット(USB接続型)、液晶ディスプレー、無線LANルーターの販売動向を見てみます。

PCカメラは、今年に入って1月の間はほぼ横這いでしたが、2月10日週以降大きく伸び、3月2日週には対前年同期比で約400%と、4倍近くにまで伸びていることが分かります。以降、対前年同期比300%前後で推移しますが、3月30日週に再び伸びが加速し、対前年比426%となっています。

ヘッドセットも、手ぶらでビデオ会議や電話ができることが受けて販売が伸びています。PCカメラと同様、2月10日週以降大きく伸びており、3月2日週には対前年同期比281%となっています。一旦3月16日週、3月23日週では200%を下回りますが、3月30日週には323%と、大きく伸びていることが分かります。

液晶ディスプレー、無線LANルーターは、PCカメラやヘッドセットと比べると伸びが緩やかになっています。しかし、3月30日週には販売が伸びており、液晶ディスプレーが対前年比140%、無線LANルーターが同117%となっています。

こうしてみると、テレワークに必要な関連機器が、新型コロナウイルスへの危機感が高まってきたのと同じタイミングで伸びていることが分かります。確かにテレワーク特需といえそうです。また、データでは、まだ公開されたものが見当たっていませんが、学校のオンライン授業に伴ってタブレット等の需要も伸びているようです。

飲食店など、新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ業種・企業がある一方で、新たな需要・ニーズが生まれています。厳しい経済環境の中でも、何か新たな事業機会を見出していきたいところですね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)