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業界ウォッチ 2020/05/11

教員のちょっと気になる「ネットフリックス有料会員数」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「ネットフリックス有料会員数」を取り上げてご紹介いたします。

今年の5月のゴールデンウィークは、新型コロナによる外出自粛要請で、自宅で多くの時間を過ごした人が多かったのではないかと思います。時間の過ごし方は、人によってさまざまだと思いますが、中にはインターネット動画配信サービスで、映画などの動画を視聴した人もいたのではないでしょうか。

インターネット動画配信サービスの中でも、最大手であるネットフリックスは、米国を中心として、日本を含め世界各国で利用者が増えているようです。特に、今回の新型コロナの問題もあり、今年に入って利用者数が大きく伸びているようです。

確かに、海外では外出禁止など日本より厳しい行動制限がかけられている国・地域もあり、自宅でどのように時間を過ごすかが課題になると思います。少しでも楽しみを見出そうとして、インターネット動画配信サービスを有料でも視聴しようという人が増えてもおかしくないと思います。

それでは実際にどの位、世界のネットフリックス有料会員数が増えたのでしょうか。地域によってどのような違いがあるのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

まず、ネットフリックスの有料会員数(世界)の増加数の推移を見てみます。2012年の第一四半期(Q1)は、283万人でしたが、Q2で一度増加数が落ち込みますが、12年Q4には287万人の増加となっています。このように四半期ごとに増減を繰り返しながら、毎年概ね増加トレンドとなっています。また、各年Q1がその年の最大の増加数となっていることが分かります。その中で、突出しているのが20年Q1で、1576万人増加となっています。19年Q1では1000万人増に達していなかったことを考えると、利用者数が大きく伸びたことが分かります。

次に、地域別の有料会員数の推移を見てみます。2012年Q1は、米国内の会員が約2200万人で、その他海外の会員が約240万人、合わせて約2440万人でした。以降、どちらも増加トレンドとなっています。

2020年1Qには会員数が、北米で約7000万人、それ以外の海外が約1億1200万人と合計で約1億8300万人となっています。

地域区分で見ると、北米が最大で、次いで欧州中東、南米、アジア太平洋の順で有料会員数が多いことが分かります。また、伸び率を見ると、欧州・中東の伸びが高いことが分かります。

こうしてみると、所得水準の高い欧米を中心に有料会員数が伸びていることが分かります。特に新型コロナ以降の伸びが高く、なっていることも分かります。これまでは、Youtubeなどの広告モデル型の無料動画配信が中心でしたが、在宅時間が長くなると有料の動画配信サービスでも、お金を払う人が増えてきたと考えられそうです。リアル空間でのエンタテイメントは厳しい状況にありますが、自宅にいながらも、何らかの楽しみを提供できるサービスにはお金を支払う素地が整いつつあるとも言えそうです。

このような動きから、エンタテイメント業界でも、何らかの事業機会を見出すことができるかもしれませんね。

執筆:谷口賢吾(たにぐち けんご)

ビジネス・ブレークスルー大学、同大学院 専任講師
地域開発シンクタンクにて国の産業立地政策および地方都市の産業振興政策策定に携わる。
1998年より(株)大前・アンド・アソシエーツに参画。
2002年より(株)ビジネス・ブレークスルー、執行役員。
BBT総合研究所の責任者兼チーフ・アナリスト、「向研会」事務局長を兼ねる。
2006年よりビジネス・ブレークスルー大学院大学講師を兼任。
同秋に独立、新規事業立ち上げ支援コンサルティング、リサーチ業務に従事。

<著書>
「企業における『成功する新規事業開発』育成マニュアル」共著(日本能率協会総合研究所)
「図解「21世紀型ビジネス」のすべてがわかる本」(PHP研究所)