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MBAダイジェスト 2020/06/18

Steps to Leading Globally(3)リーダーシップの開発 その(1)~SMART plus HEART Goals

『MBAダイジェス』シリーズでは、国内初・最大級のオンラインMBAである「BBT大学院」、ならびに2つの国際認証を持つ「BOND-BBT MBAプログラム」の修了生が、両校で学ぶMBA科目のエッセンスをまとめ、わかりやすく紹介していきます。将来的にMBAの取得を検討している方や、MBAの基礎知識をインプットしたい方はご活用ください。



執筆:岸原直人(BBT大学院MBA本科修了、パナソニック株式会社 デジタルマーケティング推進室 課長、アプライアンス社事業開発センター ゲームチェンジャーカタパルト Versatile Player)
対象科目:Steps to Leading Globally(Eric Francis 教授)

ゴール設定の重要性

今回からはステップ2として「リーダーシップの開発」について、2回に分けて説明していきます。

多様なグローバルビジネス社会および組織において、それぞれ個別の文化、考え方を持つ組織構成員をあるべき方向に導くために、リーダーは「ゴール設定」を正しく行い、目指すべきゴールを組織構成員と共有せねばなりません。

ビジョンが「あなたがどの山を目指すのか=何を目指すのか; 長期的な目指すべき成功の姿」であるのに対し、ゴールは「ビジョンを達成するために取り組む短中期的な具体的な目標」と言えます。

そしてゴールは「戦略」そのものというよりは、むしろ「戦略を形作るのに必要な方向性」と考えられます。組織のゴールを設定することで、組織戦略を構築することができるのです。このゴール設定は、リーダーに求められる最も大事な仕事と言えます。

SMART plus HEART Goals

しかしこの大切なゴール設定ですが、実は多くの組織で正しく設定されていません。典型的な例として、長すぎる、詳細すぎる、不明確ということがあります。またこうしたゴールは組織構成員に忘れられてしまう、ということがあります。これでは組織を一つにし、前に進めることはできません。

そこでゴールを正しく設定するプロセスとして “SMART Goals”をご紹介します。

SMART とは、

〔S〕Specific :明確な
〔M〕Measurable, meaningful, motivating:計測可能な、意味のある、動機付けられる
〔A〕Achievable, agreed to, aligned:達成可能な、合意できる、一体となる
〔R〕Realistic, relevant, reasonable:現実的な、適切な、合理的な
〔T〕Time-bound, trackable:期限のある、追跡可能な

の各単語の頭文字から成り立つもので、ゴール設定の際にこれらを押さえると、組織全体で共通の理解が進み、適切にその進捗をチェックし、達成できているか否かを判断することができます。

そしてこのSMARTに加えて、組織構成員の心に響き、達成意欲の高まるゴールであること、すなわち“HEART=Inspiring Goals”であることが必要です。

それでは講義の中からSMART+HEART Goalsの例文を一つご紹介します。

“Achieve 95 percent on-time departure record by Oct 1st so that our airline can achieve ’number one service’ ranking for 2018.”

前半部分はSMARTの部分で航空会社としていつまでに何をするかが明確です。そして後半部分では、サービスランキングでNo1になる、という目標がHEART=従業員のモチベーションを高める文面になっています。このようにSMARTとHEARTが一体となったゴール設定をすることで、航空会社として社員が一体となり達成に向けて取り組むようになります。

グローバルビジネスリーダーのリスニング(傾聴力)

ここからは具体的にリーダーシップを発揮していくうえでのスキル・技法について説明していきます。

グローバルビジネスにおいて、実際にリーダーシップを発揮していくうえで大切なことの1つがリスニング=傾聴力です。リスニングスキルは生まれついてのものではなく、努力やトレーニングにより向上させることができます。

そのリスニングの手法として、「Active Listening:積極的傾聴」があります。Active Listening は、相手とのコミュニケーションにおいて、相手の話をただ単に受動的に聞き流すのではなく、

① Repeat & Paraphrase:

相手の話を確認するために、会話中の相手のキーワードを繰り返すこと。または相手のキーワードを自分の言葉に置き換えて、その真意を確認すること。

② Reflect & Empathize:

相手の話をまず聞き、そのうえで「あなたは…としたのですね、…考えたのですね。」というように相手のコメントを反映させ、ジェスチャーを積極に活用しながら念押しして確認すること。

③ Confirm & Expand:

Yes or Noで答える質問により会話を絞り込むこと。その逆に、Yes or Noではなく自由に答えられる質問により会話を広げていくこと。

という3つの技法を、コミュニケーションの相手、状況、会話に応じて適切に使い分け、組み合わせることで、相手とともに本質的な課題を見出し、それを解決していくコミュニケーション技法です。

多様なグローバルビジネス社会では、相手の話を評価、判断しようという姿勢や、自らが伝えたいことを一方的に伝えるという姿勢では、相手は心を開いてくれません。相手の考えを受容し、相手が話しやすいような雰囲気を醸成し、ニュートラルな立場で相手とともに解決に取り組む、このActive Listeningの技法が理想的なコミュニケーションなのです。

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岸原直人

BBT大学院本科 修了生
パナソニック株式会社
デジタルマーケティング推進室 課長
アプライアンス社事業開発センター ゲームチェンジャーカタパルト VersatilePlayer

1971年埼玉県所沢市生まれ
早稲田大学卒業後、松下電器産業株式会社(現:パナソニック株式会社)に入社。国内外営業・マーケティング、海外広報を経て、2012年から2015年まで米国地域統括会社でブランドマーケティングに従事。帰国後は本社経営企画での勤務後、2017年より新設されたデジタルマーケティング推進室で、グループ全体のデジタルマーケティング化を推進中。また2018年からは、「社内複業制度」を活用し、家電部門の新規事業創出組織であるゲームチェンジャーカタパルトに参画。

大学時代始めたアメリカンフットボールに今も夢中。米国勤務時代は、全世界最大規模のスポーツイベントと言われるスーパーボウルを、『一生の一度のチャンス』と捉え、1席数十万円のチケットを購入して観戦。また、現在も40歳以上のメンバーで構成される『シニアアメリカンフットボール』のチームに所属し、プレーを継続。アメフト以外でも、トレイルランニングに熱中。毎年複数の大会に参加している。また「トレーニングで街創り」というビジョンを掲げる『Daddy Pak Training』に所属し、日本初の都市型障害物レースイベントを行う等、社会起業にも活動の幅を拡大。大前学長の「やりたいことは全部やれ!」という教えをまさに実践している。

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