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実践ビジネス英語 2020/06/25

仕事に効くビジネス英語講座〈第16回〉世界で活躍する人々の17の共通点(前編)



執筆者:PEGL事務局清水

「国境を越え、世界を舞台に活躍する人々には、いくつかの共通点が存在する」のだと国連世界食糧計画(国連WFP)に勤務する田島麻衣子氏は言います。日本も含めた60以上の国籍の、実際に田島氏が接したことのある人々を参考に、世界で活躍する人が持っている共通点を17項目挙げています。

職業は、各国の大使やダボス会議に主席する会社経営者、ニューヨークタイムズ誌の記者、世界で注目される指揮者、米国の名門大学の学長、そして国連機関の田島氏の同僚です。田島氏の著書『世界で働く人になる』(アルク)からその17項目を挙げてみましょう。紙幅の関係上、17項目のうち前半の(1)~(8)を今号で、後半の(9)~(17)を次号で紹介します。

1.人を魅了してやまない話術を持つ

話術で相手を魅了する人は、「必ず相手を魅了したい」という素直で健全な欲求を持ち合わせているのだと田島氏は述べています。「相手に聞いてもらいたい」という強い思いがあるからこそ、相手の心に言葉が届くのだといいます。私が個人的に、話術に思わず引き込まれてしまうのがソフトバンクの孫正義社長です。「ソフトバンクは30年後、株式時価総額200兆円ぐらいになっていないといけない」と孫社長は言います(2015年3月23日時点の株式時価総額は約8.5兆円)。世界最大の時価総額を誇る米アップル社の株式時価総額が100兆円弱です。あまりにも奇想天外な話で「大法螺なのかな」と感じる面もあるのですが、孫社長の話術は人を魅了して止みません。

日本では孫社長が目指す「株式時価総額200兆円」などという「欲望」は、何かドロドロしていて、人前には晒さずに隠しておくべきものと思われていますが、人前で話す場合には肯定的に捉えたほうが、プラスに働く面が多いのだと言います。自分の信念や情熱をしっかりと持ち、「聞き手を魅了したい」という気持ちで話すことが重要です。

2.愛嬌と、嫌われる勇気を併せ持つ

大の大人の男性が男性に向かって人懐っこく笑顔でウインクして挨拶することに驚いた経験が私には何度かあります。誰に対しても自然体で愛嬌を振りまけることができる男性は外国人のほうが多いと思いますが、日本人男性の中にもいます。

憎めない朗らかさは、幼い子供だけに許される特権ではなく、人としての円熟味や経験とも立派に両立し得るものです。しかし、ただ愛嬌を持っているだけでは不十分です。人から嫌われることを気にしないという強さも兼ね備えています。

日本社会では、人から嫌われると「嫌われてしまった」と悩んでしまう人が多いですが、上司や家族など、自分の人生に重要な影響を及ぼすと判断している人々には繊細な注意を払う一方で、そうでない人々にまで好かれなければならないという気持ちは持ち合わせていないのが、世界で活躍するビジネスパーソンです。社会で生きていくうえで、ある一定の人々から嫌われることを避けて通ることはできないということを受け入れているのです。

3.社交家とひきこもりが、ひとりの中に同居する

パーティなどでは社交的なビジネスパーソンであっても、24時間365日、常に社交的なわけではなく、「引きこもり」を選択する場面があります。田島氏の知人であるグローバル企業の代表者が「商談相手とは夕食をとらないことにしている」「夕食は家族ととるのが一番」だと話してくれ、社会に浸透にしているその人が持つ社交的なイメージとは正反対の発言を聞いたときのギャップの大きさが印象に残っているのだと言います。


4.人とのつながりを大切にする

初めて会った時はどんな関係になるか全く想像できない相手でも、運命の転がり方によっては、不思議とその後も縁がつながるケースがあります。

直接の利害関係が今はなくても、人とのつながりを大切にします。

5.大統領であれ市井の人であれ、対等に話す

人間の懐の深さ具合というものは、誰とでも対等に話せることと関係していると、田島氏は述べています。TVニュースを見ていると、例えば安倍首相が街頭で、初対面の一般市民と握手する場面はあっても、一般市民が安倍首相に対していきなり親しげに談笑しているという場面はほとんどお目にかかったことがありません。

米国のニュースを見ているとオバマ大統領に対して初対面のごく普通の一般市民と握手しながら、何やら親しげに話しかけて、それにオバマ大統領も長々と返事しているという場面に出くわします。社会的地位や立場に関係なく、誰とでも臆さずに話せる度胸は羨ましくも、人間力の賜物であると思います。

6.相手の感情を敏感に察知し、冷静に対処する

相手の感情を察知するには、自分の感情感知センサーを健全な状態でONにし、意識して敏感でいる必要があります。

上手に仕事を進めていくためにはロジックも大切ですが、相手と自分の感情のあり方も重要です。

7.激しい議論の後でも、相手に微笑む余裕を持つ

仕事で目に見える成果を挙げているビジネスパーソンは、仕事上の問題と相手の人格を別モノとしてしっかりと切り離して考えています。例え、仕事上で合意できないことがあったとしても、相手の人格までを否定してはいけません。

仕事と人格を分けて考えるように訓練されていないと、仕事上で否定されたことによって自分の人格までもが否定されてしまった気分に陥ります。

そしてそのことが、人間関係にまで悪影響を及ぼすことさえあります。

8.自分と自分の可能性を信じる

世界を舞台に活躍している人を観察していると、日常的に、なるべくポジティブなイメージの言葉に接することで自分を肯定的に捉える習慣付けをしていると田島氏は言います。ポジティブなイメージの言葉に接する方法として、自分でコントロールできるものと他者から投げかけてもらうものの2種類が存在しますが、自分でコントロールできるものとして、米国でよくすすめられる方法に、何と「独り言」があるのだと田島氏は言います。

「独り言」は日本ではあまり肯定的なイメージを持っていませんが、米国では「独り言のすすめ」と言って、就職の面接前や試合前に自分を励ますことを強く推奨する専門家さえいるのだと言います。心の中で自分に語りかけることはあると思いますが、それを声に出して言うというイメージです。誰も見ていないところで「よっしゃ」「やったね」と思わず独り言を吐いてしまうことがありますが、悪いことではないと知りほっとさせられます。

また、自分の身振りにも効果があります。米国の社会心理学者のエイミー・カディ(Amy Cady)氏によると、「大事な局面での一人ガッツポーズ」も自己肯定感を高めるのに、大いに効果があるのだと言います。

ビジネスパーソンではありませんが「一人ガッツポーズ」をしているのをTV番組のスポーツ中継などで目にするのは卓球の試合で1点ごとに拳を握る福原愛選手。そして「さーっ!」という掛け声。最近ではテニスの錦織圭選手の「一人ガッツポーズ」を目にします。能力を発揮するために効果的なアクションなんですね。

いかがでしたでしょうか。
世界を舞台に活躍するビジネスパーソンの行動様式や考え方の前半(1)~(8)は、読者のみなさんのイメージと合致したものでしたでしょうか。私たちは世界で働く上で何を学んだら良いのか改めて考えさせられます。

後半の(9)~(17)は次回解説します。お楽しみに。

【参考】
『世界で働く人になる』(アルク)pp.76-109
http://www.amazon.co.jp/dp/4757426054/

エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」(TEDの英文日本語訳資料)
https://sites.google.com/site/tedjapaneseenglishnote/list/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are

『ソフトバンク新30年ビジョン』
http://www.amazon.co.jp/dp/4797362561

(最終アクセス2020年6月25日)

※この記事は、ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講座「実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-」で毎週木曜配信中のメルマガ「グローバルリーダーへの道」において、2015年3月26日に配信された『今週のコラム』を編集したものです。


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ナビゲーター:清水 愛(しみず めぐみ)
PEGL[ペグル] 英語教育事務局 マーケティング/PEGL説明会、個別ガイダンス担当。2012年BBT入社。前職は海外留学カウンセラー。これまで6,000人を越えるビジネスパーソンと接し、日々ひとりひとりの英語学習に関する悩み解決に向き合いながら、世界で挑戦する人たちの人生に関わる。

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