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実践ビジネス英語 2020/07/16

仕事に効くビジネス英語講座〈第18回〉英語でファシリテーションができますか?



執筆者:PEGL事務局清水

みなさんは会議の司会進行をつとめたことがあることと思います。「何とか、ざっくばらんな話をできるムードを作って会議を盛り上げたい」と司会進行役ならだれでも考えると思います。

一番恐れることは何でしょうか?

私の場合、それは会議の場が氷の世界のようにシーンと静まり返ることです。沈黙が続くことなく、会議の参加者同士が打ち解けて話せるようにするために行うのがアイスブレークです。アイスブレークできるかどうか、司会進行役が緊張して一番凍りついてしまわないようにしなければなりません。

では、どうしたらうまくアイスブレークできるのでしょうか。アイスブレークを成功させるためには準備が欠かせません。

今回はアイスブレークの具体的な仕方を『外資系コンサルが実践している英語ファシリテーションの技術』(日本経済新聞出版社)からヒントを得てみましょう。

1.和気あいあいとしたアイスブレーク

アイスブレークとは、初対面の会議参加者同士が緊張してなかなか打ち解けて話ができないようなとき、場の雰囲気を和らげるきっかけになるような、簡単な“遊び”を行うことです。アイスブレークでよく使うトピックが二つあると同書の著者の太田信之氏は言います。

このトピックを使いながら、いわゆる自己紹介をすることで、参加者同士が持っている氷の壁が壊れ、笑いによって打ち解けることからice breakと言います。トピックがあまり難しすぎてもだめですし、アイスブレークできないと意味ありません。失敗しないトピックを選びたいものです。

(1)最初の体験(Famous Firsts)
最初の仕事(first job)、最初の車(first car)、
最初の引越し(first relocation)

(2)ピーク体験、ヒーローインタビュー(Peak Experiences)
一番褒められたこと(best compliment)、一番の記録(best record)

「(1)最初の体験」をトピックに使い、アイスブレークを兼ねて自己紹介を促すときの導入は英語では次のようになります。

Let’s introduce each other in a normal way. In addition, using this keyword “my first something”, tell us about your famous experience in your life. Any experience is OK.
「一人ひとりの普通の自己紹介と同時に、『最初の体験』というキーワードを使って、みなさんの人生の中の最初の体験を教えてください。どんな体験
でも構いませんよ」

このように導入するだけで、笑いが起きることがあります。「初デートとかでもいいんですか?」「え~!?酒とたばこは秘密だな」などと、参加者か
ら自然に言葉が出てくるだけで、自己紹介が始まる前段階からアイスブレークの効果を感じることができるのが、メリットだといいます。

太田氏によると、海外の人のほうが日本人よりも「こんなことで笑うか?」というちょっとしたことで笑ってくれる「箸が転んでも笑う」状態の人がい
ると言います。そういう人たちは司会進行役の人に過度に協力して無理して笑おうとしているのではなく、むしろ笑うことで自分自身の緊張感を解きほ
ぐし、みんなとフランクに話ができるきっかけになることを経験的に知っているからではないかと太田氏は言います。

「くだらない」などとは思わずに、参加者以上に素直が笑顔で楽しむと、不思議なことに、笑いが笑いを呼び、自分自身も司会進行の緊張から解き放たれて、リラックスできるようになるという効果があります。

司会進行役をつとめたとき、いつでアイスブレークできるように使える英語言い回しを覚えてしまいましょう。

(A)議論に入る前に、ちょっと話しやすい雰囲気を作りましょうか。
Let’s break the ice before we get into the discussion.

(B)子供の頃の夢を教えてください。
Please tell us about the dream you had when you were a child.
Your childhood’s dream? Tell us about it.

(C)どんなトピックでも良いので、あなたの「初めて」について話してください。
Any topic is OK, but please tell us a brief story about “your first” something.

(D)例えば最初のデートでもOKですし、むしろ十分面白そうですよ。
For example, “my first date” is totally OK and interesting enough, too!

(E)初めてのデートはどんなでしたか?
What was your first date like?

(F)全員立ってください。
Can you all stand up?

(G)会話をしないで、自分と同じ月に生まれた人を探してください。
Please look around the room for a person born in the same month as you, without talking!

(H)グループで話してください。
Please talk among the group.

2.「期待と不安の交換」アイスブレーク

和気あいあいとしたアイスブレークだけでなく、実際の会議の内容に近い形のアイスブレークもあると太田氏が言います。

期待と不安の交換」がそのアイスブレークで英語ではexpectation exchangeと言います。参加者にアジェンダや目的、議論する範囲を説明した後、「みなさんがこの会議に期待していること、不安または懸念に思っていることを教えてください(Please tell us about your expectations and concerns about this meeting.)」と問いかけます。不安または懸念という英語はconcernという単語を使います。

大人数の場合は2~3人ずつ、またはグループワークとして実施しても良いですし、8人程度ぐらいまでであれば、一人ひとりに聞いてみるのも良い方法です。まず肩の力を抜く系のアイスブレークを先に実施しておいて、ある程度口が軽くなったところでこの「期待と不安の交換」を実施すると、より効果的に「ぶっちゃけた」話が出てくる確率が高まると言います。

「期待」するものは例えば「長年の懸案事項の解消」(Long term issues to be resolved)、「不安」は「時間的制約」(Time constraints)であったり、「本社が了解してくれるか」(HQ agree?)ということであったりします。

参加者の本音が聞ければ聞けるほど、会議のゴールに近づくことができます。太田氏は30分ぐらいの時間をこれら硬軟二つのアイスブレークに使うこともあると言います。

いかがでしたでしょうか。

会議の本題に入る前にアイスブレークするメリットとして「初対面の相手を知ること」があげられます。アイスブレークの話題のつながりで会議の本題の議論を膨らませることができますし、初対面の相手を知ることによって共通の話題を見つけやすくなり、敷居をぐっと下げることができます。

実は大前学長も、PEGLのリーダーシップ力トレーニングコースの講義の中で、まず初めに取り上げたのがこのアイスブレークの重要性です(講義ではアイスメルティングと表現しています)。

「たかがアイスブレーク、されどアイスブレーク」。
我々が思っている以上に、ファシリテーションでの役割は大きいということですね。

【参考】英語ファシリテーションの技術pp.138-142(最終アクセス:2020年7月16日)
http://www.amazon.co.jp/dp/4532319277

※この記事は、ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講座「実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-」で毎週木曜配信中のメルマガ「グローバルリーダーへの道」において、2015年4月23日に配信された『今週のコラム』を編集したものです。


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ナビゲーター:清水 愛(しみず めぐみ)
PEGL[ペグル] 英語教育事務局 マーケティング/PEGL説明会、個別ガイダンス担当。2012年BBT入社。前職は海外留学カウンセラー。これまで6,000人を越えるビジネスパーソンと接し、日々ひとりひとりの英語学習に関する悩み解決に向き合いながら、世界で挑戦する人たちの人生に関わる。

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