【MBA・ビジネス用語】アントレプレナーシップとは? ビジネスリーダーに必須のスキル!
執筆:mbaSwitch編集部
デジタルテクノロジーの発展により本格的なAI時代が到来しました。ビジネスの複雑化、多様化や目まぐるしい変化のなかを生き抜くには、AIを味方につけるとともに、土台となる教養や感性、人間関係構築力、創造的思考力などが重要です。
INDEX

1.アントレプレナーシップとは
アントレプレナーシップとは?
AI時代に求められる能力のひとつが「アントレプレナーシップ」です。
アントレプレナーとは「事業を起こす人、起業家、企業家」のことで、アントレプレナーシップは、辞書で「企業家精神。新しい事業の創造意欲に燃え、高いリスクに果敢に挑む姿勢」と説明されます。
別の言葉で表現すると、「自分の生活の安定や将来を他人や会社に期待せず、すべて自らの責任においてリスクを取りながらも果敢にチャレンジする姿勢」のことをアントレプレナーシップと呼びます。
アントレプレナーの語源はフランス語の「entrepreneur」です。東西貿易が盛んだった13世紀に動詞のentreprendreから派生した言葉で、当時は「仲買人」を表す言葉だったとされています。
「アントレプレナーシップ」という言葉を最初に用いたのは、フランスの経済学者リチャード・カンティヨンでした。カンティヨンは、18世紀に出現した新しい産業の担い手をアントレプレナー(entrepreneur)と呼びました。起業することだけでなく、「新しいことを意図して企画すること」を意味し、カンティヨンはこうした人間に着目しました。
その後、アントレプレナーを、「イノベーションを遂行する当事者」を指す経済的用語として定義したのが、経済学者ヨーゼフ・シュンペーターです。
さらに、経営学者のピーター・ドラッカーは1985年『イノベーションと企業家精神』にて、アントレプレナーシップを「イノベーションを武器として、変化のなかに機会を発見し、事業を成功させる行動体系」と定義しました。そして、アントレプレナーシップという言葉は、「経済の領域に限定されず、人間の実存に関わる活動を除くあらゆる人間活動に適用される」とし、「イノベーションとアントレプレナーシップの原理と方法は誰でも学べる」との考えから、その概念を一般に広めました。
「アントレプレナーシップ」は、ドラッカー以外にもさまざまな学者が定義を試みています。たとえば、ハーバード・ビジネス・スクールのハワード・スティーブンソン教授は、アントレプレナーシップとは「コントロール可能な資源を超越して機会を追求すること」と定義しています。
「コントロール可能な資源」とは、個人や会社の経営資源(ヒト・モノ・カネ)のことです。起業家の多くは自社の経営資源のみをコントロールし、時には身銭も切りながら自力で事業を起こそうとします。しかし、その事業が大きな可能性を持つ場合、生産施設、流通チャネル、追加の運転資金といった個人でコントロールできる以上の資源が必要となると、ハワード・スティーブンソン教授はいいます。
また、ここでの「機会」とは、「真に革新的な製品の開発」「新しいビジネスモデルの考案」「既存製品の改良版や廉価版の開発」「既存製品の新規顧客層への売り込み」のことを指します。
なぜアントレプレナーシップが注目されているのか
「VUCA(ブーカ)」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとって作られた言葉で、複雑化が増して予測不可能な現代の経済環境を指します。2010年代以降、経済のVUCA時代が世界中で到来したといわれています。
VUCA時代においては、リスクに立ち向かえて高い創造意欲をもつ人材が企業には欠かせません。
また、「デジタル・ディスラプション」、デジタルテクノロジーの急速な進化による破壊的イノベーションも現代のビジネスを揺るがしています。
たとえば、サブスクリプション型ビジネスが急速に増え、CDやDVDを買ったり借りたりしていた時代から、クリックひとつで音楽や動画を楽しめる時代になりました。このように、デジタル・ディスラプションは人々の生活を一変させる力があります。
企業にとっては、この破壊的イノベーションはある種の脅威です。それは大企業や優良企業であっても同様で、企業を存続させるためにもアントレプレナーシップのある人材の確保や育成が急務となっています。
日本経済という視点においても、グローバル市場で競争力を増やすためにアントレプレナーシップが高い人材が求められています。
こうした背景もあり、大学や大学院でアントレプレナーシップを学ぶ専攻や科目が増えてきています。在学中の起業を目指す「アントレプレナーシップ学部」を新設予定の大学もあります。
アントレプレナーシップはこれからの時代に必須
近年、社会変革や社会課題に対する活動の持続可能性が期待される「ソーシャル・アントレプレナー」にも注目が集まっています。ソーシャル・アントレプレナーとは、医療、福祉、貧困救済、人権保護などの社会課題を解決することを主な目的とした企業家のことを指します。
従来から存在するボランティア組織や慈善活動家との違いは、採算性、生産性、成長性といったビジネス経営の感覚を生かしたアントレプレナー的要素が加わった点です。
また、2000年代から現在まで続く第三次人工知能ブームのなかで、「AIにできなくて、人間にできる仕事はなにか?」という議論がなされています。人間にしかできないことのひとつが、高い創造性やリーダーシップ、人間力を兼ね備えたアントレプレナーシップだといわれています。これからの時代、アントレプレナーシップを備えた人材の需要はますます高まっていくでしょう。
2.アントレプレナーシップを持つ人材に求められるスキルとは
アントレプレナーシップを養うためには、経営者目線を持ってビジネスを推進していくための多彩なスキルを磨く必要があります。代表的なものとして、次のようなスキルがあります。
イノベーションの創造
自分の軸となるビジョンや価値観をもとに、既存の市場にはなかったビジネス、製品、サービスなどを創造できる能力が求められます。新しいアイデアを発想する方法には、まだ満たされていない市場機会を発見して、それを満たす方法を考える「ニーズ発想」、手元にあるユニークな技術や材料を活用する方法を考える「シーズ発想」、政治や経済、社会とったマクロ環境の変化に着目する方法などがあります。
マネジメントとリーダーシップ
経営資源であるヒト・モノ・カネのマネジメント能力も必要です。企業の競争優位が設備や資金などから、知識や知恵と移行している昨今、特に重要となるのはヒト(人材と組織)のマネジメント能力です。
人材や組織のマネジメントには、対象となる「人」の特徴や行動を理解する必要があります。
また、変革を推し進めるためにリーダーシップも必要です。リーダーシップとは、会社全体にビジョンを伝達してメンバーを統合し、メンバーの動機づけができる力を指します。
障壁を乗り越える力
変革時に生じる困難も乗り越えられる能力も求められます。そのためには、自社を客観的かつ論理的に観察して本質を見抜く、仮説→実行→検証の学習サイクルを主体的に推進する、自らの視点や視野をアップデートする、といったスキルを磨く必要があります。
粘り強さと柔軟性
新たなビジネス課題に挑戦するときに大切なのは、逆境でも諦めず、周囲の反対に屈しない粘り強さです。粘り強さは、強い意志によって下支えされます。また、粘り強さとともに柔軟性も備え、臨機応変に対応する力も必要です。
3.アントレプレナーシップを身につけるには?
アントレプレナーシップを身につけるには、常に問題意識を持ち、ビジネス課題に対して挑戦する姿勢が必要です。創造力や発想力、問題発見・解決能力、決断力、行動力などを主体的に学ぶことで、アントレプレナーシップを養うことができます。こうしたスキルは、ビジネスのケーススタディなどから学べます。
また、リーダーシップ、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を養うことも大切です。
4.アントレプレナーシップを学ぶにはBBT大学院
アントレプレナーシップは大学院のMBAプログラムで学ぶことで身につけられます。
MBAプログラムでは、講義や課題への取り組み、ケーススタディ、グループワークを通して自ら気づきを得ることで、不可能を可能にする精神やリーダーとしての考え方を学んでいきます。本校(ビジネス・ブレークスルー大学大学院、以下BBT大学院)では、RTOCS(アールトックス)と呼ばれる経営者視点のケーススタディを毎週行います。
通常のケーススタディでは過去のビジネス事例を取り上げますが、RTOCSでは、今まさに起こっている事例について、「自分が経営者やトップだとしたら?」という視点で将来を予測し、具体的な戦略を考えます。
在籍中の2年間で合計100回もの思考訓練を重ねることで、経営者視点や変化に強い対応力と問題解決力を徹底的に鍛えます。
BBT大学院は2005年に国内初のオンラMBAが学べる大学院として誕生しました。開校以来、オンライン学習の知見を蓄積し、よりよい学びを提供するために試行錯誤と改善を繰り返してきました。
完全オンラインのため場所の制約がないのはもちろん、講義はオンデマンド式の動画なので時間の制約もなく、好きなタイミングで何度でも理論や知識のインプットができます。
「使えるMBA」を取得してもらうために経験豊富な実務家教員を揃え、学んだことを使いこなせる力を養成することに焦点を当てています。
5.アントレプレナーシップを身につけたい方はまず説明会へ
アントレプレナーシップは、これからの起業家やビジネスリーダーに必要な考え方・行動様式です。起業家や経営者は、よいアイデアや事業プランを持っていることだけなく、高いアントレプレナーシップが求められます。過去の成功者たちに共通している資質でもあるアントレプレナーシップを身につけたい方は、まずはBBT大学院の説明会に申し込みましょう!
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