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業界ウォッチ 2020/09/15

教員のちょっと気になる「コンビニ経営状況に関する認識」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「コンビニ経営状況に関する認識」を取り上げてご紹介いたします。

先日9月2日に公正取引委員会が「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書」を公開しました。同調査は、コンビニエンスストアの24時間営業問題、人手不足問題、FC加盟店との軋轢といった社会的背景を受けて、019年10月から2020年8月にかけて調査を実施・取りまとめたものです。

同調査結果から、公正取引委員会は、コンビニFC本部が24時間営業や値引き制限などを加盟店に強いれば、独占禁止法違反に当たる恐れがあると指摘をしました。

この調査は、コンビニエンスストアFC本部と加盟店の関係が独占禁止法違反に当たるかどうかといった観点から実態調査が行われており、報道等でもこの観点からの調査結果抽出が主なものとなっています。
ですが、その一方でコンビニ店舗の経営実態を把握するという意味で、いくつか興味深い調査結果が得られています。中でも、店舗のロケーション別の経営状況に関する調査が、興味深い結果となっています。

コンビニエンスストアは、駅前、商店街・繁華街、ビジネス街、住宅街、生活道路や通勤・通学の経路上に多く出店されているほか,鉄道駅の構内、商業施設内、オフィスビル内、高速道路のパーキングエリア・サービスエリア、官公庁・大学・病院、テーマパーク・遊園地等の施設内にも出店されています。


それでは、経営状況が、順調なのかどうか、これらのロケーション別にみるとどのような違いがあるのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

教員のちょっと気になる「コンビニ経営状況に関する認識」

 まず、経営状況が「順調」(とても順調+順調である)という回答が多かったロケーションを見てみます。最も高かったのは、「鉄道駅の構内」で64.4%、次いで「高速道路のPA/SA」(51.5%)、「空港・港・バスターミナル等」(50%)、「オフィスビル内」(46.7%)と施設内店舗が上位に来ています。
 次に、経営状況が「順調ではない」(順調でない+あまり順調でない)という回答が多かったロケーションを見てみます。最も割合が高かったのは「いわゆる買い物不便地域」の50.4%で、次いで「郊外ロードサイド」(49.4%)、「都市部ロードサイド」(45.7%)と続きます。

こうしてみると、施設内店舗のコンビニの経営状況は順調であるところが多く、反対に買いもの不便地域や、ロードサイド型店舗などの「施設内店舗」ではないロケーションのコンビニ店舗は経営状況が「順調でない」傾向にあることが分かります。
ロケーション別の経営状況と、消費者の購買行動から類推すると、確かにそうなりそうだなと思える数字です。

ただし、施設内店舗は回答数自体が、他の「住宅街」(4031件)、「郊外ロードサイド」(3,406件)、「駅前」(1,033件)といったロケーションと比較して、数十~数百件程度と少ないので留意が必要です。
また、アンケート調査実施時期が1月17日~2月14日なので、新型コロナの影響が大きくない時期でしたので、施設内店舗が「順調」と回答していたとしても、「鉄道駅の構内」や「空港・港・バスターミナル等」といった店舗は、現在であれば「順調でない」という回答となっている可能性があることも留意が必要です。

新型コロナの影響なども総合して考えると、全般的にコンビニ店舗の経営が苦しくなっていると考えられそうです。この数年で、経営環境厳しくなったコンビニ業界に新型コロナの影響も追い打ちをかけている可能性も高そうです。
コンビニのFC型モデルだけでなく、店舗立地(ロケーション)なども含めて、全般的に見直す必要がありそうですね。