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業界ウォッチ 2020/09/23

教員のちょっと気になる「スマホ通信料金の国際比較」



執筆:谷口賢吾(BBT大学大学院 講師)

今週は「スマホ通信料金の国際比較」を取り上げてご紹介いたします。

先日9月16日に菅新首相が誕生し、新たな内閣が発足しました。早速、菅内閣の政策に注目が集まっていますが、注目されている政策の一つに携帯電話通信料金の引き下げが挙げられています。9月18日には、菅首相が武田総務大臣と官邸で会談し、携帯料金値下げの「具体的な結論」を出すよう指示したそうです。
菅首相は、官房長官時代の2018年に「携帯料金は4割値下げする余地がある」と発言しており、今回の新政権ではどれだけ踏み込むかに注目が集まっています。

確かに、「日本のスマホ代は高すぎる!」と主張するCMもありますが、それでは日本の携帯電話・スマホ通信料金は、どの位の水準なのでしょうか。諸外国と比較すると、どの位高いのでしょうか。仮に4割値下げすると、どの位の水準になるのでしょうか。


実際に数字で確認してみたいと思います。


教員のちょっと気になる「スマホ通信料金の国際比較」
 総務省が「電気通信サービスに係る内外価格差調査 -令和元年度調査結果-」(2020年6月)で、ロンドン(英)、パリ(仏)、デュッセルドルフ(独)、ソウル(韓)、ニューヨーク(米)、東京(日)の6都市で、比較できるように条件を設定してモデル料金を比較しています(調査時点は2020年3月時点)。ので、このデータで確認したいと思います。

 まず容量2ギガバイト/月の料金を見てみます。各国シェア1位の事業者の料金を比較すると、最も高いのはニューヨークで6,302円(Verizon Wireless)、次いで東京(5,150円、NTTドコモ)、ソウル(3,637円、SK Telecom)と続きます。最も安いのはロンドンの1,350円(Telefonica UK)となっています。
東京の料金を仮に4割引き下げると3,090円となり、ソウルとデュッセルドルフの中間の料金となります。

次に、容量5ギガバイト/月の料金を見てみます。同じく各国シェア1位の事業者の料金を比較すると、最も高いのはニューヨークで6,865円となっています。次いで東京(6,250円)、ソウル(3,931円)と続きます。最も安いのは、ロンドンの1,800円となっています。
東京の料金を4割引き下げると、3,858円となり、ソウルとほぼ同水準となります。

更に、容量20ギガバイト/月の料金を見てみます。同様に各国シェア1位の事業者の料金を比較すると、最も高いのは東京で8,175円となっています。次いでニューヨーク(7,990円)、ソウル(6,004円)と続きます。最も安いのはロンドンの2,700円となっています。
東京の料金を4割引き下げると、4,905円となり、デュッセルドルフより少し高い水準となります。

なお、いずれも各国シェア3又は4事業者のうち最も安い料金プランと比較すると、シェア1位の料金の方が高いか、良くても同額となっています。

こうしてみると、東京、ニューヨークの通信料金が突出して高いことが分かります。また、東京の料金を4割引き下げると、3位のソウルと4位のデュッセルドルフの中間水準になることが分かります。東京の料金を4割引き下げたところで、最も低いロンドンの倍近い料金水準となっていることも分かります。

コロナ禍で外出・移動が減り、屋内のWi-Fi環境でスマホを接続していると、以前よりもスマホ通信容量を必要としなくなる人も増えているかもしれません。そうすると、これ迄よりも料金プランを見直したり、格安キャリアに乗り換えたりする人も出てくるかもしれません。
スマホユーザーとしては、競争が促進され、通信料金が安くなることは歓迎したいところですね。