編集部posts 2020年9月26日

【MBA・ビジネス用語】VUCAとは? 予測不能な時代を生き抜くスキルを身に付けよう!



執筆:mbaSwitch編集部

【MBA・ビジネス用語】VUCAとは? 予測不能な時代を生き抜くスキルを身に付けよう!
近年、グローバリゼーション、AI・IoTの技術発展、超高齢化社会といったさまざまな要因が複雑に絡み合い、世界中に大きな変革を起こしています。

さらに、地球温暖化や気候変動に加え、新型コロナウイルスという未だ解明されきっていない疫病が蔓延するなど、予測不能なリスクが発生する可能性が高まっています。
こうした背景があり、「このままではいけない」といった危機感とともに「VUCA」というワードがさらに注目されるようになりました。

ビジネスや経済環境の変革も激しく、組織やビジネスパーソン一人ひとりが従来のやり方や常識を変化させていくことが求められています。
「VUCA時代」のビジネスシーンを生き抜くためには、どうしたらよいのでしょうか? VUCA時代に活躍する人材になるために必要なスキルやポイントをご紹介します。


https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

1.VUCAとは?

VUCAとは?
そもそも「VUCA(ブーカ)」とは、どんな意味を持っているのでしょうか。
VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の4つのワードの頭文字を取った造語です。

グローバリゼーションやテクノロジーの進化、政治不安、気候変動といった多様な要因が複雑に絡み合い、社会や経済情勢が予測困難な時代になっているという認識を表した言葉です。

変化が激しく不確実なVUCA時代において、ビジネスで成果を出すためには従来のやり方を変えることが求められます。

VUCAという言葉が生まれた背景についても見ていきましょう。
VUCAはもともと、1990年代にアメリカの陸軍学校で「冷戦後の複雑な国家間の関係」を表す言葉として使われ始めました。それが、2010年代から次第に現在の社会やビジネスの状況を示す言葉として使われるようになってきました。

そして2014年、「チェンジ」がテーマだったASTD(米国人材開発機構)国際大会において、VUCAは多くの注目を浴びました。2014年以降も国際的なフォーラムや会議にて、ビジネス界の多くの著名人がVUCAについて取り上げました。近年、本格的なVUCA時代に突入したといわれています。

次に、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の4つのキーワードについて、詳しくご解説します。

Volatility(変動性)

VUCA時代には、社会や経済の状況がこれまでにないスピードで変動していきます。経済規模が世界に広がっているため、市場の成熟化も一層加速していくと予測できます。

また、イノベーションが次々に生まれるため、いかに有望なビジネスであっても、短いスパンで追随する次のビジネスが現れ、それまでのビジネスが陳腐化してしまう傾向があります。

Uncertainty(不確実性)

変化が多いことは、不確実性にもつながります。ビジネスの成功の寿命は年々短くなっており、現在成功していたとしても、それがそのままの形で成功し続けることは稀です。

現代のビジネスの脅威としては、たとえば自社のメイン商品・サービスに対して、競合がより高品質で安価なものを生み出す、突然の大規模な自然災害によって営業ができなくなる、SNSによる予期せぬ炎上でブランド力を一気に失うなど、さまざまな方面に存在します。こうした背景から、予測が難しい不確実な時代に突入しています。

Complexity(複雑性)

グローバリゼーションが進むにつれてビジネスの規模は大きくなり、「関係者」の範囲が拡大することで複雑性が増しています。業務の分業化により、プロジェクト単位であったとしても、複数の部署や専門家、多国籍の人々が関わり、現地の法律や監修なども絡んでくるようになったことも、ビジネスの複雑性を高めている要因のひとつです。

ビジネスの複雑性から、問題解決の難易度も上がっています。あるひとつの問題を解決しようとした場合でも、問題を丁寧に解きほぐし、本質を見つけることが必要です。

Ambiguity(曖昧性)

ビジネスや経済環境の変化が速いと曖昧性が高まります。今日の正解が明日には正解ではなくなってしまうような中でも、ビジネスを発展させるためには前例のないことにもチャレンジしていく必要があります。

曖昧性が高い状況下でも最善の判断をし続けるためには、過去の成功や業界の垣根、ルールに縛られない、柔軟な発想を持つことが求められます。

VUCA時代は「絶好のチャンス」でもある

このような変化が激しいVUCA時代にビジネスで成功をおさめ続けるには、従来のように経営者だけが強力なリーダーシップを持つだけでは太刀打ちできません。

VUCA時代であっても躍進している企業の多くは、経営層や管理職だけでなく、従業員もリーダーシップを発揮しています。リーダーシップ自体も変化させていく必要があり、リーダーのあるべき像を一度学ぶだけでなく、自らの経験を通して学び続けていくことが重要です。

「変化が多く、未来が不確実であることはリスクである」という視点で、ここまで解説してきました。しかし、「変化には多くのチャンスが潜んでいる」と捉えることもできます。

VUCA時代の変化に敏感になり、新たな機会を作り出すことができるイノベーション人材、「対VUCA人材」となることで、激化するビジネス環境を生き抜いていきましょう。

2.VUCA時代を生き抜くためには

VUCA時代を生き抜くためには
どのような人材になれば、VUCA時代を生き抜くことができるのかをご紹介します。
VUCA時代を生き抜ける人材に共通する資質は、「課題発見・解決力」「チャレンジする力」「自力で生きる覚悟と能力」の3つです。
それぞれの資質について見ていきましょう。

3つの資質を磨く

●課題発見・解決力
一つ目の資質は、社会や組織において顕在化していない「本質的な課題」を見つけ出し、課題解決策を素早く立案して実行できる能力です。変化が多いVUCA時代においては、本質的な課題も従来とは異なることがあります。

これまでの成功パターンにとらわれず、物事の本質を見抜く能力が求められます。


●チャレンジする力
二つ目が、新しいことにチャレンジする力です。今後は容易に社会の前提が覆ることがあるため、過去の常識や価値観にこだわるのはリスキーなことです。


今後、Z世代やデジタルネイティブとも異なる、ポストコロナ時代のニューノーマルの生活・価値観を常識とする世代が増えてくるため、新しいことに肯定的に取り組める資質はますます重要となるでしょう。


●自力で生きる覚悟と能力
三つ目の資質は、会社や組織に頼らず、自分で生きていく覚悟と能力です。従来の日系企業では、終身雇用・年功序列・新卒一括採用・OJTを中心とした「メンバーシップ型雇用」が主流でした。


しかし、VUCA時代の到来に伴い、日本国内でも欧米系企業で用いられてきた「ジョブ型雇用」、仕事の範囲を明確にすることでより専門性を高める方向の雇用方式にシフトしてきています。


今後は、身分と給与が企業によって保障される可能性が低くなるため、会社に属していてもほかの企業から求められる人材になるための努力と心構えが必要になります。

経営者がVUCA時代に求められるものは?

続いて、立場ごとに必要な能力をご紹介します。
VUCA時代、経営者はどのような変化が必要になるのでしょうか。

●従来のビジネスモデルに安易に依存しない
VUCA時代においては、AI・IoTの技術発展などにより、商品がすぐにコモディティ化(市場価値が低下し、高付加価値の商品が一般的な商品になること)してしまいます。よって、安易にこれまでのビジネスモデルに依存するのはリスクが高いといえます。

●ビジョンを明確化する
先の読めない社会やビジネス環境においては、企業の進むべき大筋、つまりビジョンを今まで以上に明確にしておくことが重要です。ビジョンを描く際には、今求められていることではなく、「これからどんな世界にしていきたいか」という長期的かつ広い視点を持つことが求められます。

●トライアンドエラーを重視する
VUCA時代では、計画にかけている時間はありません。せっかく良い事業計画ができても、気がついたら競合が先に開発を済ませていた、市場ニーズがなくなっていたということにもなりかねません。

シナリオや計画を必要以上に策定せず、プロトタイプを作り市場に出すことで、市場環境を読みながら、正しく軌道修正ができます。

●誰もがリーダーシップを発揮できる環境をつくる
先述の通り、VUCA時代でも活躍する企業は、経営層や管理職だけでなく、従業員もリーダーシップを発揮できるような環境が整っています。経営者や管理職は、自らが前面に出るだけではなく、メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮できる環境づくりが求められます。

従業員がVUCA時代に求められるものは?

●明確なビジョンを持つ
既述のとおり、企業が将来像を明確にすることは大切ですが、それは従業員にとっても同様です。自身が将来どうありたいかを明確にしておけば、状況が変わっても、想定外の出来事が起こっても、それを実現することを基準として行動を選び取ることができます。業務に対しても、目標に向かって主体的に取り組めるようになるでしょう。

●失敗を恐れず行動や挑戦をする
状況が刻々と変化していくVUCA時代には、慎重に検討している時間はありません。
良いアイデアがあったら、失敗を恐れずにまずは行動しましょう。行動したあとに変化があれば、軌道修正や撤退といったネクストアクションを考えていきます。

また、従来の営業手法やマーケティングが通用しづらくなっていくので、これまでの成功パターンや習慣にとらわれず、新しい方法に挑戦していくことが求められます。

●常に情報収集・学習する
情報の引き出しが多いほど、行動する際の選択肢が増え、急速な変化に対応していくことができます。最新ニュースを日々チェックしたり、さまざまな立場・業界の人と情報交換したりして、社会や経済の変化に常にアンテナを張るようにしましょう。

●権限によらないリーダーシップを発揮する
リーダー的な立場でなくとも、フォロアーシップの発揮だけではなく、権限によらないリーダーシップを発揮することが必要です。

VUCA時代では、多様な価値観から生み出される新たなイノベーションが求められます。多様な価値観を持つ人材をまとめ、強みを活かせるようなリーダーシップが重要度を増していくでしょう。

人事部がVUCA時代に求められるものは?

●経営層と現場の橋渡しになり、職場環境を整備する
VUCA時代には、フレキシブルに働ける環境が重要です。そこで、人事部は経営層と現場の人々の間に立ち、多様な働き方を認めたり、副業ができる環境整備をしたりと、現場のニーズに合った柔軟性が高い職場環境にするための改革が求められます。

●現場を変革するリーダーシップを発揮する
変化の激しいビジネス環境においては、バックオフィス的な人材マネジメントだけでなく、ビジョンを達成するために、現場を変革するリーダーシップが人事部にも求められます。経営のビジョンをブレイクダウンし、明確な方向性を示す役割を担いましょう。

組織に求められる変化とは?

組織は、どのように変化していくべきなのでしょうか。先ほど解説したように、国内では従来の「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」に徐々にシフトしてきています。

加えて、VUCA時代には意思決定のスピードがビジネスの成功を左右します。従来の組織に多いトップダウン(上位下達)型の体制は、意思決定を遅くしてしまう要因の一つです。そこで、上司の判断待ちにならず、従業員の意思決定を尊重する「アジャイル型」の組織を形成することが、VUCA時代には求められます。

「Agile(アジャイル)」には、「素早い「機敏な」「(頭の回転が)速い」という意味があります。アジャイル型組織は、現場に権限を与えるフラットな体制によって、迅速な意識決定と素早い改善サイクルを回せる組織です。

また、失敗を否定したり責めたりすることなく、トライアンドエラーを短いスパンで繰り返していける組織でもあります。

3.OODAループとは?

OODAループとは?
VUCA時代を生き抜くためのスキルとして、「OODA(ウーダ)ループ」が注目を浴びています。

OODAとは、「Observe(観察)」「Orient(情勢への適応)」「Decide(意思決定)」「Act(実行)」の構成要素の頭文字を取った造語で、OODAループとはこの4つのサイクルを回していくことです。ビジネスはもちろん、あらゆる分野に適用できる戦略の一般理論として、広く活用されている意思決定プロセスのフレームワークです。

OODAループの特徴は、上司からの指示や計画に従って動くのではなく、ビジョンの実現や目標達成を目的に、情報収集や分析、意思決定を行い、行動する点です。

リアルタイムで起きている環境の変化に合わせ、判断・実行し、組織全体で目的を達成していくことができます。現場レベルでOODAループを実施できると、従業員一人ひとりが目の前の原因や結果に素早く対応し、競合他社への競争優位性を高める効果もあります。

最近耳にすることが増えた、アジャイル開発やデザイン思考、リーンスタートアップなどの最先端の思考法や理論、組織形態は、OODAループの思考を反映しているといわれています。

4.VUCA時代に求められるリーダーシップとは

VUCA時代に求められるリーダーシップとは
VUCA時代には、経営者や管理職だけでなく、本来はリーダー的な立場にない個々の従業員もリーダーシップを発揮することが求められるとご紹介しました。

リーダーシップにはさまざまな要素がありますが、VUCA時代に特に求められるリーダーシップの資質にはどのようなものがあるのでしょうか。5つの主要な資質を見ていきましょう。

1.課題設定力
世の中の動きを捉える先見性や大局観を備え、自分で課題を設定する力

2.伸びしろ
新しく学ぶことを厭わず、必要があればいつでも自己革新できる素直さを持ち、成長の伸びしろがあること

3.機会提供力
メンバーに権限委譲をして、一人ひとりが自立自走できるようサポートする力

4.多様性受容力
専門外の領域や自分とは異質な意見を面白がることができる資質

5.周りを巻き込む熱量
多様性のあるチームをひとつにまとめるための人間的な魅力や熱量

ほかにも、前述したような問題の本質を見抜く力や、失敗を恐れずに挑戦し続けられること、意思決定の速さなども、これからのリーダーシップに欠かせない資質です。

5.VUCA時代を生き抜くには学び続ける必要がある

これまでの常識が突然変わってしまうことがあるVUCA時代、常に変化に対応するためには、立場や役職などに関わらず、いくつになっても学び続けることが重要です。

VUCA時代に活躍できる人材になるための選択肢として、MBAを取得できる大学院(経営大学院)で学ぶ方法があります。

どの経営大学院でも共通して学ぶことは、経営の3要素である「ヒト・モノ・カネ」についてです。さらに、時代に合わせた最先端のカリキュラムを実施したり、自分のキャリアや今後のビジョンについて向き合う機会を提供したりと、大学院ごとに特色があります。

時代の変化に対応した経営大学院を選ぶことで、VUCA時代に役立つ能力を養うことができます。

6.ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)のオンラインMBAとは

ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)のオンラインMBAとは
仕事だけでも忙しいビジネスパーソンにとって、働きながら経営大学院で学ぶことは容易ではありません。

働きながらでも、うまく時間を活用して学び続けるには、「オンラインMBA」がおすすめです。オンラインMBAとは、経営大学院の授業の一部もしくはすべてをオンラインで実施するMBAプログラムのことです。


https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

オンラインMBAのパイオニア

本校(ビジネス・ブレークスルー大学大学院、以下BBT大学院)は、日本国内で最も長いオンラインMBAの歴史を持っています。2005年の開学以来、15年という月日のなかでオンライン学習の知見を蓄積し、オンラインMBAのパイオニアとして試行錯誤を重ねてきました。

100%オンラインで受講できるため、学びの柔軟性が高く、多忙なビジネスパーソンでも学び続けることができます。

経験豊富な実務家教員から学べる

BBT大学院の学長である大前研一は「経営者、現場、顧客からしかビジネスは学べない」という信念から、経営者や起業家、そして数多くの企業や国家の問題解決をリードしてきた経営コンサルタントを中心に教員陣を揃えています。

現在もマネジメントに携わっている、リーダー経験豊富な実務家教員から実践経験に基づいたリーダーシップを学ぶことで、VUCA時代に対応できる人材を育成します。

VUCA時代に最適なカリキュラムや教育手法を提供

さらに、時代に即した最先端のカリキュラムや教育手法を提供できるよう、アップデートを繰り返しています。

MBAの醍醐味であるケーススタディは、RTOCS(アールトックス)と呼ばれる独自の教育メソッドを導入し、現在進行形の事例について取り上げます。

一般的なケーススタディでは過去事例を取り上げますが、今まさに起こっている事例について、「自分が経営者やトップだとしたら?」という視点で将来を予測し、具体的な戦略を考えることで、社会やビジネスの複雑化・不透明化などにより将来予測が困難な「VUCA」の時代に求められる問題発見・解決能力を身につけることができます。

BBT大学院では、「自分が経営者だったらどうするか」という視点や、教員やクラスメイトから多様な意見を学ぶことを大切にし、実際のビジネス現場で起こり得るテーマを具体的に取り上げ、激しい変化の中でも活躍できる力や資質を養います。

また、教務スタッフによる学生サポートが手厚く、学習の進捗フォローを行い、学習サポートやアドバイスをしている点もBBT大学院の魅力です。

教務スタッフは、一人ひとりの学生の受講の進捗や発言頻度などを日々確認し、名前を覚えてしまうくらい常に気にかけ、身近な存在として伴走してくれます。

7. VUCA時代に活躍する人材になるために

VUCA時代に活躍する人材になるために
変化が激しいVUCA時代にビジネス現場で活躍するには、既存の価値観や成功パターンから離れて常に新しいことを取り入れ、柔軟かつスピーディに行動していくことが求められます。

VUCA時代を生き抜くためのポイントをご紹介してきましたが、新しく求められることが多い分、何から始めてよいか迷われる方も多いかと思います。そんな方には、経営大学院への入学を検討してみることをおすすめします。

BBT大学院は、100%オンラインで柔軟性の高いプログラムを提供しているため、自宅や職場から通える範囲に経営大学院がない方や、通学時間をなくして時間を有効活用したい方にも最適です。

具体的に100%オンラインのMBAプログラムでどのように学ぶのか、なかなかイメージしづらい方もいるかと思います。そこで、一人ひとりがその場で疑問や不安点を十分に解消できるよう、少人数制による説明会を定期的に開催しています。

「オンライン説明会」なら、どこでもご参加可能です。参加に必要なものはインターネット環境とPC・スマホのみなので、お気軽にご参加いただけます。

VUCA時代を生き抜き、活躍できる人材になるために、まずはBBT大学院の説明会にお申し込みください。

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