マネジメントとビジネストレンドの知見を得るMBAメディア

タグから検索する

編集部posts 2020/10/29

【MBA・ビジネス用語】アジャイル型組織とは? DX時代に求められる組織変革

【MBA・ビジネス用語】アジャイル型組織とは? DX時代に求められる組織変革


執筆:mbaSwitch編集部

2010年代ごろから「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の時代が本格化し、業界問わず、企業の「アジャイル型組織」への変革が求められるようになってきました。

本記事では、アジャイル型組織の基本的な知識や特徴、アジャイル型組織を導入した企業の事例、そして組織変革を実現させるポイントを解説します。


https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

1.アジャイル型組織とは?

アジャイル型組織とは?

「アジャイル型組織」とは、新たな価値を素早く継続的に提供するために、迅速な意思決定や開発サイクルを可能にした組織理論です。

DX時代においては、IT業界だけでなくどのような業界でも、アジャイル型組織の思考が求められます。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」です。

引用:経済産業省、「DX 推進指標」とそのガイダンス(令和元年7月)
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf 


(引用:経済産業省「DX 推進指標」とそのガイダンス(令和元年7月))


DXは、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。

日本では2010年代ごろからDXの実現に向けた取り組みが顕著になっています。DX実現の重要な要素となるのが、新たな価値を素早く継続的に提供できる「アジャイル型組織」です。

「アジャイル(Agile)」は、「俊敏性」「素早い」という意味を持ち、もともとは開発用語でした。

システム開発での要求仕様の変更などに対して、柔軟かつ俊敏に対応するためのソフトウェア開発手法を「アジャイル」と呼び、オープンで臨機応変な開発ができる組織を「アジャイル型組織」と呼んでいました。それが、開発チーム以外の組織でも用いられるようになり、組織変革のキーワードとして注目されるようになりました。

従来の「ピラミッド型組織」では、権限がトップにあり、組織の上下関係が明確に存在します。ピラミッド組織には、柔軟性に欠け、意思決定に時間を要するといった課題があります。

一方、「アジャイル型組織」では、組織はフラットで、トップだけでなく各チームや社員にも権限を分散させます。そのため、ピラミッド組織に比べて意思決定までの時間が短く、開発サイクルも素早く回すことができます。

アジャイルの考え方は、「働き方改革」の実現にもつながります。アジャイルの最終的な目的である「事業のパフォーマンス向上」を達成するためには、非効率的な働き方を改善する必要があるからです。

ティール組織、ホラクラシー組織

アジャイル型組織と似たような組織概念に、「ティール組織」と「ホラクラシー組織」があります。どの概念にも、「自己組織化」や「組織の自律性」といった近い考えがあります。

これらは完全に区別できる概念ではないため、それぞれの特徴を紹介します。

ティール組織とは?
「ティール組織」とは、「自主経営」「全体性」「存在目的」を備えた組織理論です。
フレデリック・ラルー氏が著書『Reinventing Organizations』で、2014年に提唱した概念です。日本語版『ティール組織』も2018年に出版されています。

ティール組織では、意思決定に関する権限と責任を全メンバーが持ち、メンバー全員が「自主経営」の視点で働くことが求められます。

また、個人の本来の力が発揮できる「全体性」を重視します。個人の力を部分的にしか発揮できない環境ではなく、仕事中もありのままの自分でいられ、仮面を被らなくていい環境を目指します。

「存在目的」もティール組織の重要な考え方です。企業の生き残りのためでなく、精神的な希求や大局的な存在目的を組織のテーマとして捉えます。

ホラクラシー組織とは?
「ホラクラシー組織」とは、中央集権型から分散権限型への移行によって、仕事を体系化するための組織概念です。

ホラクラシー(Holacracy)の語源は、「ホロン(holon)」と「ホラーキー(Holarchy)」です。ホロンには、「部分でありながら全体としての機能・性質をもち、全体と調和して機能する単位」という意味が、ホラーキーには、「ホロン同士の結びつき」という意味があります。

管理職がいない点はアジャイル型組織やホラクラシー組織と同様ですが、権限が「個人」ではなく、「ロールとガバナンスプロセス」に分散されている組織という特徴があります。

ホラクラシーでは、規定によって「してはいけないことは何か」が明確なため、メンバー一人ひとりが自由に力を発揮できるしくみになっています。

2.アジャイル型組織の特徴

アジャイル型組織の特徴

アジャイル型組織の特徴は大きく6つあります。理想的なアジャイル型組織を構築するには、これらの特徴を体現した組織になることが重要です。

1. 柔軟なアプローチの設計

ステークホルダーの変動的なニーズを長期的に満たすためには、製品やサービスの根本は変えずに対応できる柔軟なアプローチの設計が必要です。

設計に柔軟性があることで、ステークホルダーのニーズが変化しても、素早く商品やサービスを提供でき、機会損失を減らせます。

2. 目的やビジョンの共有

事業の方向性や進め方に一貫性を持たせるために、組織内で明確な目的やビジョンを共有します。組織内の共通認識が固まり、目指す方向が一貫することで、自社が取り組むべきビジネスチャンスを逃さずキャッチできるようになります。

3. フラットな組織構造

全員がフラットな関係で、責任や権限を持つそれぞれチームのネットワークによって組織が構成されているのも特徴のひとつです。上下関係がなくても、構造を正しく設計・管理できれば、安定した組織を築けるといわれています。

4. スピード感のあるサイクル

「思考→実行→学習」という一連のサイクルを素早く回すことが求められます。スピード感のあるサイクルによって、実行までに無駄な時間を費やすことが減らせます。

5. 積極的な人材開発

新たな価値を素早く創出するために、全社員に権限を与える組織文化があります。

アジャイル型組織の人材マネジメントでは、
・社員をコントロールせず、育成するリーダーシップ
・組織全体で同じ文化を共有するコミュニティ化
・さまざまな経験の機会を社員に提供すること
の3点が特に重視されます。

6. テクノロジー

テクノロジーの進化に乗り遅れず、顧客に価値を提供するために、既存製品・サービスのデジタル化や、新しいテクノロジーアーキテクチャの導入を積極的に行います。また、次世代テクノロジーの開発と配信プロセスを事業に取り入れます。

3.アジャイル型組織の事例

アジャイル型組織の事例

アジャイル型組織を導入した企業の事例をご紹介します。

セールスフォース・ドットコム社

セールスフォース・ドットコム社は、クラウドベースのCRM/顧客管理システムやSFA/営業支援システムを世界中に提供する企業です。急成長を遂げた企業のひとつで、Forbes 誌では「世界で最も革新的な企業」の上位に何度も選出されています。

セールスフォース・ドットコム社が、アジャイル型組織を導入した際の事例をご紹介します。

同社では、規模・チームが大きくなって管理が難しくなり、さまざまな弊害が生じたため、組織変革プロジェクトを開始しました。

専任の組織横断型変革推進チームを立ち上げ、開発プロセスを抜本的に見直し、アジャイル型組織の導入を決定。導入理由は、創業時の価値観「KISS:Keep it Simple Stupid(速い反復、顧客の声を聞く)」がアジャイルの価値観と合っていたからでした。

現場ごとに「アジャイルプロジェクト」のメンバーを置いて、導入を妨害する要素を取り除きつつ、「個人よりチームの生産性に注目」「毎日の状況の見える化」「効果的なツールの利用」「最小出荷可能製品を30日ごとに出荷」などを実行し、アジャイル導入を成功させました。

その後も、アジャイルプロジェクトのマネジメントを継続に改善し、アジャイルの定着化に成功しています。

Spotify社

音楽配信サービスの Spotify社もアジャイル型組織を導入しています。

一般的に、アジャイルでは部門横断チームによって組織を構成しますが、同社の場合は、「アジャイルなプロダクト開発」に注力するため、以下の4つのチームで構成されています。

・Squad(分隊):プロダクト責任者が中心となった部門横断のチーム
・Tribe(部族):複数の関連プロダクトの分隊を集めたチーム
・Chapter(部門):同じ専門性を持つ人材を集めたチーム
・Guild(ギルド):誰でも参加可能で、同じ関心を持つ人材が集まったチーム

ほかにも、アジャイル型組織として有名な企業には、Apple社やW.L. Gore & Associates社などが存在します。

https://www2.ohmae.ac.jp/Dynamic_LP.html

4.アジャイル型組織を実現させるためには

アジャイル型組織を実現させるためには

アジャイル型組織の実現にとって重要なキーワードを5つご紹介します。

アジャイル型組織の実現に重要なキーワード

1. 繰り返し
仮説・検証の素早い繰り返しにより、方向性を柔軟に変化させたり、予測の精度を上げたりすることができます。

2. 検証
計画立案よりもプロダクトの検証を重視することで、軌道修正に注力できます。

3. 組織横断
関連部門を横断してチームを組むことで、顧客や経営層によるフィードバックを製品やサービスに素早く反映できます。

4. フォーカス
社員は基本的にプロジェクトの兼任はせず、ひとつのプロジェクトに専念することで、本当にするべきことに集中できます。

5. 改善
顧客のニーズは変わり続けるため、常に改善を続けることで、製品やサービスの価値を上げます。

組織改革の進め方を解説

それでは、実際にどのように組織改革(アジャイル型組織の導入)を進めていけばよいのでしょうか。企業ごとに導入方法は異なりますが、一般的な方法を解説します。

①経営陣の理解・協力を得る
アジャイルの導入には、ほかの変革以上に経営陣やトップによる強いリードが重要となります。まずは経営陣の理解を得て、協力してもらえるように動きます。

②責任者を立てる
アジャイル導入のプロジェクト責任者を置き、プロジェクトがワークしているか、組織がアジャイルに適応しているかなどを随時管理します。

③転換点をサポートする
アジャイルの浸透には、数年という長い期間が必要です。導入期のあとは、アジャイルをさらに広げるための「転換点」があります。この転換点で、よりアジャイルに合った組織の体制に変化できるよう、特に経営陣からのサポートを得る必要があります。

④KPIを測定する
アジャイルの目的は、事業を改善し顧客により高い価値を提供することです。そのため、アジャイルを評価するためには、事業のパフォーマンスに関する適切なKPIを設定し、測定することが重要です。

⑤プロジェクトを継続する
アジャイルでは、一時的な改善ではなく、継続的な改善が求められます。アジャイルの文化をしっかり組織に根づかせることで、常に事業の改善ができる組織に変革させていきます。

5.100%オンラインでMBAが取得できるビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)とは?

100%オンラインでMBAが取得できるビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)とは?

組織改革を進められるスキルを身につけるには、アジャイル型組織の知識や手法を学ぶことに加えて、経営者視点でビジネスを考えられる体系的な知識・スキルが重要です。
経営やビジネスを体系的に学ぶには、経営大学院でMBAを取得する方法があります。

しかし、働きながらMBAを取得するのは、時間的に厳しいと感じる方が多いかと思います。

そこで、多忙なビジネスパーソンや海外に住んでいる方、近くに通える経営大学院がない方には、100%オンラインでMBAが取得できる、ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)がおすすめです。BBT大学院なら、コロナウイルスの感染が心配な現在の状況下でも、安心して学び続けられます。

実践的な問題発見・解決力が身につく独自のケーススタディ

ほかの経営大学院とBBT大学院との違いは、オンラインか通学制かだけではありません。

BBT大学院では、アカデミックな視点以上にビジネス現場の視点を重視し、問題解決の基本プロセスや論理的思考・データ分析について学び、自分の力で答えが出せるようになることを目指します。

たとえば、BBTのカリキュラムには、過去事例ではなく現在進行形の事例を取り扱い、経営者視点で問題発見・解決力などを向上できる「RTOCS(アールトックス)」という独自のケーススタディがあります。今まさに起こっている事例について、「自分が経営者やトップだとしたら?」という視点で将来を予測し、具体的な戦略を考えます。

RTOCSは、世界的なコンサルタントである大前研一学長の担当科目で実施しています。経営者視点や変化に強い対応力と問題解決力を徹底的に鍛えるために、毎週新しいケーススタディに取り組み、在籍中の2年間で合計100回もの思考訓練を重ねます。

提出締切日には「大前研一LIVE」という世界の1週間のニュースを大前学長が解説する番組が講義映像として配信され、その中で大前学長がお題に対して出した「結論」を発表します。

過去事例ではないため、いわゆる「正解」がひとつ存在するのではなく、大前学長の出した結論が正解というわけでもありません。大前学長がどのようなプロセスで結論を導き出したのか、情報の見方や問題を解く視点などを知り、さらに学びを深めます。

そして、大前学長の結論に加え、クラスメイトが出した結論も自分のものと比較し、どこに違いがあったのかを考え、振り返りの投稿をすることで1つのケーススタディが完了します。

これまで取り組んだお題では、誰もがよく知る大企業から急成長を遂げているベンチャー企業やユニコーン企業まで、さまざまな会社を取り上げています。また、企業の社長になるだけではなく、地方自治体や国をお題として取り上げ、首長や大統領になることもあります。

オンライン学習のメリットを最大化する遠隔教育システム

独自の遠隔教育システム「AirCampus(R)」を活用し、オンライン学習の障壁を乗り越え、メリットの最大化を図る工夫をしています。完全オンラインのため、場所の制約から解放されます。

さらに、講義はオンデマンド式の動画なので時間の制約もなく、好きなタイミングで何度でも理論や知識のインプットができます。

講義動画の視聴だけでなく、教員や教務スタッフ、TA(ティーチング・アシスタント)とのやりとり、学生同士でのディスカッション、履修登録、レポート提出など、学習のことはすべてAirCampus(R)上で行えます。

BBT大学院では、ディスカッションを重要視しているからこそ、テキストベースのディスカッションを採用しています。

テキストベースであれば、他人の意見を読み、よく考えてから発言できます。多くの大学院では掲げたテーマについて授業時間内に議論を終了させますが、BBT大学院では1テーマに対して議論期間が約1週間あるため、自分のペースでじっくり思考したうえで発言し、深い議論を繰り広げられます。情報収集にも時間をかけられるのでファクトベースの意見を述べることができます。

オンラインでのコミュニケーション全般で求められる、簡潔に書く力もこのディスカッションを通して養われます。クラスメイトとは、こうした深いディスカッションやミーティングを重ねることで密にコミュニケーションがとれます。

6.BBT大学院で経営変革のスキルを高めましょう!

BBT大学院で経営変革のスキルを高めましょう!
組織変革を進められる人材になるには、経営大学院でビジネス・経営の体系的な知識・スキルを養うのがおすすめです。

15年以上の月日のなかでオンライン学習の知見を蓄積し、オンラインMBAのパイオニアとして試行錯誤を重ねてきたBBT大学院は、毎年高い受講生満足度と修了率を出しています。

世界中のビジネスで通用する「使えるMBA」を取得したい方は、ぜひBBT大学院へ!

ビジネス・ブレークスルー大学大学院HP

100%オンラインのMBAプログラムで、具体的にどのように学ぶのか、なかなかイメージできない方は、まずは説明会にご参加ください。一人ひとりがその場で疑問や不安点を十分に解消できるよう、少人数制による説明会を定期的に開催しています。

「オンライン説明会」なら、どこでもご参加可能です。参加に必要なものはインターネット環境とPC・スマホのみなので、お気軽にご参加いただけます。