業界ウォッチ 2021年1月12日

教員ちょっと気になる「2020年の世界のアプリ市場」

今週は「2020年の世界のアプリ市場」を取り上げてご紹介いたします。

2020年は世界的な新型コロナ感染拡大の影響で、様々な分野でデジタル化が加速・進行した年でした。米調査会社Sensor Towerhの今年1月4日付のレポートによると2020年の世界のモバイルアプリの売上高が過去最高の1110億ドルに達したそうです。

確かに、コロナ禍で巣ごもりする時間が長くなり、結果スマホ・ネットなどによるデジタルメディアへの接触時間・支出が大きく伸びたことが大きく影響していると思います。

それでは、モバイルアプリへの支出が2019年から20年にかけてどの位伸びたのでしょうか。AppleのApp Store、GoogleのGoogle Playとでアプリ支出どのような違いがみられるのでしょうか。また、ダウンロード数が多かったアプリ、売上が大きかったアプリはどのアプリなのでしょうか。実際に数字を見て確認したいと思います。

 まず、世界のモバイルアプリ支出額の推移を見てみます。2019年は852億ドルでしたが、2020年は1109億ドルと対前年比30.2%増となっています。Google Playが386億ドルでApp Storeが20年で723億ドルと、App StoreがGoogle Playの約2倍の規模となっています。


 ちなみに、ダウンロード数でみると2020年はApp Storeが344億ダウンロード、Google Playが1086億ダウンロードとなっており、こちらはGoogle PlayがApp の約3倍の規模となっています。

 次に2020年の世界ダウンロード数上位10アプリを見ると、トップがTikTokの8.5億ダウンロード(以下DL)となっています。次いでWatsAppの6億DL、Facebookの5.4億DL、Instagramの5億DL、Zoomの4.8億DLと続きます。
 2020年の世界売上上位10アプリを見ると、トップがこちらもTikTok(5.4億ドル)となっており、次いでTinder(5.1億ドル)、YouTube(4.8億ドル)、Disney+(3.1億ドル)と続きます。

 こうしてみると、ダウンロード数だけで見るとコミュニケーション系のアプリが上位に来ますが、お金を払うサービスとなると、動画・コンテンツ関連アプリ、出会い系サービスのアプリが上位に来ることが分かります。日本のマンガアプリが世界的に上位にランク入りしていることも興味深いところです。


TikTokは米中対立の問題で今後どうなるか分かりませんが、ダウンロード数、売上高でもトップに位置付けているということが目に付きます。


 その他に、ダウンロード数上位の内、Facebook関連サービスが、4アプリ(WatsApp、Facebook、Instagram、Messenger)がトップ10にランク入りしており、Facebookがコミュニケーション系に強いことが良く分かります。

 新型コロナの影響は2021年に入ってもまだ収まる気配が見えていませんが、当面こうしたアプリの利用が拡大することが予想されます。アプリ関連ビジネスでは、2020年上位にランク入りした分野のアプリの成長が期待できそうですね。