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実践ビジネス英語 2019/09/06

仕事に効くビジネス英語講座〈第3回〉もう相手を傷つけない!“英単語”の選び方



執筆者:PEGL事務局清水

「品格と知性を感じさせる洗練された大人の英語表現」と聞いて、どのような英語をみなさんはイメージするでしょうか。『洗練された大人の英語表現』(ナツメ社)によると、以下の2点だと言います。

(A)聞き手が知りたくない情報はさりげなく、聞き手が知りたい情報はしっかり伝えるような英語
(B)聞き手に違和感を与えないような、自然な言葉選びが行き届いた英語

洗練された英語表現の中から、今号のメルマガでは“単語の選択の仕方”について解説します。状況に応じて、ニュアンスの異なる単語を選びとって使い分けることにより、洗練された言葉使いをしているということを相手に対して印象付けるコツを二つ紹介しましょう。

1.ネガティブな情報をニュートラルな印象に変える

相手側が原因で問題が起きたと仮定します。その問題について相手側と議論をしなければならない状況は避けられないでしょう。その「問題」をどのような英語で表現すれば良いでしょうか。いつも「Problem」を使えば良いのでしょうか?使う単語によって相手の心情がだいぶ変わるということを以下に示します。

英語では「情報のニュアンス」と「情報の囲み方」の組み合わせで、ネガティブからニュートラルまでの意味合いを表現します。

例えば、「情報のニュアンス2通り(ProblemとIssue)」×「情報の囲み方3通り(YourとTheとOur)」で6通りの印象に変わります。

情報のニュアンスとして文字通り「Problem」という単語を選択すると、起きていることが「問題」というネガティブなニュアンスになります。「Issue」という単語を選択すると「課題」というニュートラルなニュアンスに変わります。もう1つは情報の囲み方です。「Your」で囲むか「The」で囲むか「Our」で囲むかによって印象が異なります。「Your」で囲むと“相手方に非がある”という印象です。「The」で囲むと“相手側であろうが自分側であろうがどちら側に非があるかは問わない”という印象です。「Our」で囲むと“相手側と自分側の両者で取り組まなければならない”という印象に変わります。

2.具体的に“英単語”のニュアンスの違いを見てみよう

(1)Your problem
起きていることの原因が明らかに非は相手側にあり、自分側には全く非がなく、相手側を責めている印象

(2)Your issue
相手側に非があることを前提としつつも、起きている事柄からはネガティブなニュアンスが消え、ニュートラルにとらえている印象

(3)The problem
どちら側に非があるかということは問わないが、起きている事柄をネガティブにとらえている印象

(4)The issue
どちら側に非があるかということは問わないし、起きている事柄に対して前向きに取り組むべき課題ととらえている印象

(5)Our problem
起きている事柄に対して両者で乗り越えなければならないという、ネガティブにとらえている印象

(6)Our issue
起きている事柄は両者で取り組んでいくべき課題という印象

洗練された英語を使えるようになるということは、様々な状況に応じて(1)~(6)のどの表現が適切なのかを決め、適切な単語を選んで使い分けることです。相手側の問題であることを明示したうえで反省するように働きかけたい場合には、最もきつい(1)Your problemという表現をあえて選ばなければならないこともあるでしょう。

「責める側」と「責められる側」という対立構造を避けたいのであれば、(1)Your problemという表現を使わないのが無難です。ネガティブなニュアンスを最も緩和したい時のニュートラルな表現は(4)The issueです。

3.ネガティブな情報をポジティブな印象に変える

上記ではネガティブな情報をニュートラルな印象に変える方法を紹介しました。
ニュートラルな言葉にはネガティブなニュアンスを緩和させる効果が確認できました。しかしながら、あくまでニュートラルなままです。ポジティブな印象は醸し出せません。関係者の前向きな気持ちに火をつけ、さらに物事を前向きに突き動かしていこうと働きかけるようなパワーを持たせたいこともあるでしょう。

そのような時に求められてくるのは、ネガティブな情報をニュートラルからさらにポジティブな印象へと変えるための表現選択のセンスです。

例えば、社内において、商品の在庫不足について営業部門と生産部門が議論して解決策を探る場面を想定してみましょう。(A)と(B)のどちらのフレーズを選ぶかによって、そこから先の議論の進み具合が変わってくる可能性があります。

(A)ネガティブなニュアンス:製品Aの在庫不足の問題
The stock shortage problem for product A

(B)ポジティブなニュアンス:製品Aの予想外の需要
The unexpected high demand for product A”

(A)は上で解説した(3)The problemのパターンで、どちら側に非があるかということは問うてはいませんが、“起きている事柄をネガティブにとらえている”という印象があります。そのため、営業部門は生産部門に対して、生産が需要に遅々として追いつかない現状を責める可能性があります。

反対に、生産部門は、生業部門が見積もっていた販売計画の数字が実際の需要とかけ離れて小さかったことを責める可能性があります。両方の部門が対立する構造ができてしまうと議論が生産部門と営業部門の責任のなすりつけ合いに終わる可能性があります。

一方、(B)のようにポジティブな表現で議論を始めれば、生産部門と営業部門など関連部門が一丸になり、「予想以上の需要」というピンチをチャンスに変えて「よし、収益を大いに上げていこう!」という良い空気を社内に作り出すことが可能になります。

いかがでしたでしょうか。
『洗練された大人の英語表現』の「はじめに」によると、著者には、英語で失敗した苦々しい思い出があるといいます。そうした失敗がきっかけで「相手への配慮ある英語」を身につけようというモチベーションが生まれたのだそうです。失敗を糧にして失敗から何かを学んで次の成長につなげていくという著者のような方法もありますが、例えそれが小さな失敗でも避けることができるに越したことはありません。

書籍で学んでおける知識は前もって実践しておきたいものですね。

【参考】洗練された大人の英語表現(最終アクセス:2019年9月5日)
http://www.amazon.co.jp/dp/4816356932/
pp.14-16

※この記事は、ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講座「実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-」で毎週木曜配信中のメルマガ「グローバルリーダーへの道」において、2014年12月25日に配信された『今週のコラム』を編集したものです。

ナビゲーター:清水 愛(しみず めぐみ)
PEGL[ペグル] 英語教育事務局 マーケティング/PEGL説明会、個別ガイダンス担当。2012年BBT入社。前職は海外留学カウンセラー。これまで6,000人を越えるビジネスパーソンと接し、日々ひとりひとりの英語学習に関する悩み解決に向き合いながら、世界で挑戦する人たちの人生に関わる。

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