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実践ビジネス英語 2019/09/14

仕事に効くビジネス英語講座〈第4回〉結論を先に話さない日本人の落とし穴



執筆者:PEGL事務局清水

日本人の話言葉は特有で、曖昧な表現を好み、結論を先に話さないのがその典型です。外国人とのコミュニケーションやビジネスにおいては、そのような日本人的な話言葉は通じにくい面があります。ビジネスで英語を使う時は、話の内容をシンプルに整理したうえでコミュニケーションを行う必要があり、そのためのちょっとしたスキルが存在します。

このスキルを知らずに、思いつくままにだらだらと話し始めると、聞いている相手に対して「この人はいったい何が言いたいのだろう?」とイライラさせてしまうことがあります。話の最後まで聞かないと、結論としてどこに連れて行かれるのとか、“迷子”になってしまいます。話をだらだらと続けられると聞き手はイライラし始めるのです。

みなさんも聞く立場になった時に経験したことがあるのではないでしょうか。

今回のコラムでは、自分が言いたい内容を相手に対して如何にしたら伝えることができるかについて考えてみましょう。

1.主語・述語・目的語、5W1Hを明確に!

『英語で働け!キャリアアップ読本』(日刊工業新聞社)では以下の「三つの法則+一つの約束」を提唱しています。

<三つの法則>
1.CCLの法則(Conclusion Comes First=主張・結論を先に)
2.NLCの法則(Numbering(主張の数と番号振り)、Labeling(各主張のポイント)、Claiming(各主張の内容))
3.AREAの法則(Assertion(主張・結論)、Reasoning(理由)、Evidence(裏付け)、Assertion(主張・結論))

<一つの約束>
主語・述語・目的語、5W1Hを明確に!

2.思いつきで話すと、聞き手の頭の中は迷子になってしまう

まず、上記の「三つの方法+一つの約束」を守っていない“悪い”話し方とはどういうものかを、同書に掲載している事例で見てみましょう。

【状況設定】
社内システムのヘルプデスクを海外に置きました。ある時、営業部の中に、無理な要求やクレームをヘルプデスクに対して行ってくる人が多いことが分かりました。そこで、営業部から問い合わせを受けた場合は、海外メンバーで対応せず、その問い合わせを日本メンバーに転送するように、私(管理者)から海外メンバーに指示を出すことにしました。その内容を口頭で通達します。

【“悪い”話し方の例】
私:「営業部って、うるさ型が多いんですよねぇ。営業部からの問い合わせには毎度毎度、手を焼くんですよ。あ、なので、今後は営業部から問い合わせがあった場合は、すぐにこちらへ転送してもらったほうがいいかな?そうしましょう。ということで、これからよろしく。」

海外メンバー:「…は、はい???」

一見すると何の問題もなさそうに見えるかもしれません。通常はこんな具合にだらだらと話してしまいがちです。しかしながら、聞いている人にとっては分かりにくい話になってしまっています。

「うるさ型」とは、どんな人たち?
「手を焼く」とは、どういうことが起こっているの?
「今後は」とは、具体的にはいつから?
「こちら」とは、具体的にはどちら?

話の始め方にも問題があります。「営業部って、うるさ型が多いんですよねぇ」と話し手が話し始めれば、聞き手は営業部に関する話がこれから始まるのかと考えます。営業部に関していろいろと思いを頭の中に巡らせて、話の次の展開を待ち構えます。ところが実際の話の展開は違うところへと進んでいくので、聞き手はイライラし始めます。

「あ、そう言えば、云々」「それから…、それから…、あ、もう一つこの話も…」というようなまとまりがなくとりとめのない発言は相手に伝わりません。理路整然としたシンプルなコミュニケーションを取るにはどうしたらよいでしょうか。

相手に対して理解されやすいように話を組み立てなければなりません。

3.話のゴールが見えると聞き手は安心して話を聞ける

【分かりやすい話し方の例】を見てみましょう。。

【分かりやすい話し方の例】
「私からみなさんに一つお願いがあります。
1月1日からは、営業部の人から問い合わせを受けた場合は、私たち日本人のメンバーにすぐにそのメールや電話を転送してください。理由は、営業部には細かい要求や、無理な要求をしてくる人が多く、対応にとても時間がかかるためです。よって、みなさんで対応しようとはせずに、私たちに転送してください。」

<三つの法則>と<一つの約束>がどのように使われているのかを分解して見てみましょう。。

CCLの法則(Conclusion Comes First=主張・結論を先に)

「私からみなさんに一つお願いがあります。」が主張・結論です。

NLCの法則(Numbering(主張の数と番号振り)

お願いされる項目が一つだけであることが分かります。“たくさんお願いされるわけではないのだな”“お願いは一つだけなのだな”と聞き手は安心して続きを聞けます。

Labeling(各主張のポイント), Claiming(各主張の内容)

「1月1日からは、営業部の人から問い合わせを受けた場合、私たち日本人のメンバーにすぐにそのメールや電話を転送してください。」と主張のポイントと内容が明確です。

AREAの法則(Assertion(主張・結論), Reasoning(理由), Evidence(裏付け), Assertion(主張・結論))

Assertion(主張・結論)の後に「理由は、営業部には細かい要求や、無理な要求をしてくる人が多い、対応にとても時間がかかるためです。」と続いており、AREAの法則の順番の通りに構成されています。上記の事例の場合、Evidence(裏付け)はありません。

<一つの約束>主語・述語・目的語、5W1Hを明確に!

5W1Hが念頭に置かれて、以下のような情報が盛り込まれています。
【When】:1月1日からは
【What(happened)】:営業部の人から問い合わせを受けた場合
【To Whom】:私たち日本人のメンバーに
【How】:そのメールや電話を転送

いかがでしたでしょうか。
<三つの法則>と<一つの約束>に則るだけなので、ビジネスで英語を使う時に“英語人格”に変身して、いきなり話すことが出来る人がいるかもしれません。

しかし、いきなり英語で話すところまでは自信のない人のほうが多いと思いますので、その場合には日本語で会話をする時から上記を心がけて徐々に習慣化していくのが良いでしょう。あるいは、上記を心がけてメモを書き、それを話言葉にするところから始めてはどうでしょうか。

【参考】英語で働け!キャリアアップ読本(最終アクセス:2019年9月5日)
http://www.amazon.co.jp/dp/4526072737
pp.34-48

※この記事は、ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講座「実践ビジネス英語講座-PEGL[ペグル]-」で毎週木曜配信中のメルマガ「グローバルリーダーへの道」において、2015年1月8日に配信された『今週のコラム』を編集したものです。


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ナビゲーター:清水 愛(しみず めぐみ)
PEGL[ペグル] 英語教育事務局 マーケティング/PEGL説明会、個別ガイダンス担当。2012年BBT入社。前職は海外留学カウンセラー。これまで6,000人を越えるビジネスパーソンと接し、日々ひとりひとりの英語学習に関する悩み解決に向き合いながら、世界で挑戦する人たちの人生に関わる。

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